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令和8年に向けた動き! 新しい検討会と今後の研究を解説|タカヒラの薬局動向PICK UP(13)



2024年の調剤報酬改定ももうすぐそこ。関係省庁の各審議会からは様々なデータと論点が提示され、いよいよその方向性と具体的な内容が提示されて、短冊も間もなく。そんな中で、令和8年に向けた動きが進みだしました。目前の改定のその先も重要な観点だと思います。
ということで、KAKEHASHIでは、どこよりもはやく24年の調剤報酬改定について、1年かけてじっくりと、タイムリーな情報をわかりやすくお届けしつづけていきます。

解説する人:タカヒラ


医療経営士。MRで複数社を経験し、現在はKAKEHASHIでマーケティングを担当。猫と娘と関係省庁が出す資料(PDF)を夜な夜な読み込むのが好き。薬局経営者の方々の意思決定のお手伝いができるよう、日々精進しています

今年はいよいよ改定の年となり、慌ただしい日々が近づいて参りました。短冊から点数開示まで、その動きをしっかりととらえていくと同時に、すでに動き出した令和8年に向けた動きも注目です。今回は、令和6年改定に向けた議論がいったん落ち着いた今、その次のために始まった内容を解説します。
昨年12月25日に新たに立ち上がった、「薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」の内容と、その内容と符号していく「厚生労働科学研究」を通して、さらに変化していく対人業務の可能性を考えていきたいと思います。

目次[非表示]

  1. 1.「薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」は何を検討するのか?
  2. 2.(1)「夜間・休日及び離島・へき地での外来・在宅医療における薬剤提供のあり方」
  3. 3.(2)「認定薬局・健康サポート薬局などの薬局のあり方」について
  4. 4.(3)「その他」についてもポイントをチェック
  5. 5.「検討会」と令和6年からスタートする「厚労科研」を重ねると見えてくるものは?
    1. 5.1.厚労科研とは
    2. 5.2. 研究事業とは
  6. 6.今回のまとめ


「薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」は何を検討するのか?


 12月25日に立ち上がった「薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」では、

  1. 「夜間・休日及び離島・へき地での外来・在宅医療における薬剤提供のあり方」
  2. 「認定薬局・健康サポート薬局などの薬局のあり方」
  3. 「その他」

といったテーマを扱うこととなっており、今回の記事では、この3つのテーマの内容を見ていきたいと思います。

出典:https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001182937.pdf


(1)「夜間・休日及び離島・へき地での外来・在宅医療における薬剤提供のあり方」

この議論は、規制改革推進会議からの内容を受けた議論となります。しかし、このテーマ自体は来年の同会議にて再度検討されることが決まっており、それを踏まえての今回の議論という点に注目です。

出典:https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/committee/231016/231016general_0301.pdf


この検討会での論点を詳細に見ると、へき地においてオンライン診療を受診した患者への処方薬の提供について焦点が当てられているようです。

出典:https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001182937.pdf

さらに詳しくみていくと、今回はかなり具体的な条件のもとで検討がされていることが分かります。「荒天時の離島」にて「医師・薬剤師が不在」の場合を想定しています。ここでの議論では、看護師の薬剤への関与が議論されていることが分かります。

今回はかなり限定した話題ですが、さらなる諸条件における薬剤の取扱については、来年の規制改革推進会議などで議論が進む予定です。このテーマはここから1年かけて、さらに展開されていき、その先の報酬改定にまで影響を及ぼすと言えそうです。

出典:https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001182937.pdf

(2)「認定薬局・健康サポート薬局などの薬局のあり方」について

この論点は、中医協からの積み残しとなっている内容と言えそうです。もともと以下のように各薬局の要件が再度確認され、令和6年改定に向けた議論もあったのですが、その場では結論はでていませんでした。

出典:https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001172376.pdf

では今回、具体的にどんなポイントをみていくのか。4つの課題が提示されました。

  1. 健康サポート薬局や認定薬局については薬局側に名称を使用 表示 できる以外のインセンティブがなく 、また 、 利用者にどのようなメリットがあるのか不明確
  2. 健康サポート薬局 、 地域連携薬局については 、共通している部分もあり 、 地域の中での位置付けや違いがわかりにくい
  3. 地域において求められる薬剤師サービス、医薬品の供給拠点 、 在宅対応 、 夜間 ・ 休日の対応 、 健康サポート 、 新興感染症 ・ 災害等の有事対応 、 医薬品関連情報の発信 、 薬事衛生等をどのように担うのか
  4. 健康サポート薬局 、 認定薬局について 、 患者等が利用する 、 医療関係者が連携する薬局を選定する際に有用となる制度となるよう 、 その機能や地域における役割 ・ 位置付けを改めて整理 ・ 明確化することが必要 

出典:https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001182937.pdf

(3)「その他」についてもポイントをチェック

ここにはたくさんのポイントが入っており、要注意と言えそうです。

例えば、以下のような記載が入っています。

  • ICT化への対応などの進捗状況
  • 調剤後フォローアップの強化
  • 薬剤レビュー
  • オンライン服薬指導

    以上のようなテーマの施策の検討・実施状況を確認するとされています。
    このことからも、この検討会から重要な示唆が出てくることは想像に難くないと言えます。

    出典:https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001182937.pdf


    「検討会」と令和6年からスタートする「厚労科研」を重ねると見えてくるものは?

    さて、ここでこれまで紹介してきた各議論の文脈を重ね合わせると、「対人業務をさらに具体的にとらえていく動き」が垣間見えます。

    まずは簡単に、厚労科研についての説明をいたします。

    厚労科研とは


    「厚生労働科学研究の振興を促し、もって、国民の保健医療、福祉、生活衛生、労働安全衛生等に関し、行政施策の科学的な推進を確保し、技術水準の向上を図ること」を目的とし、独創的又は先駆的な研究や社会的要請の強い諸問題に関する研究について競争的な研究環境の形成を行い、厚生労働科学研究の振興を一層推進する観点から、毎年度厚生労働省ホームページ等を通じて、研究課題の募集を行っています。

     研究事業とは

    研究事業には、以下のようなものが設定されています。

    出典:https://www.mhlw.go.jp/content/10600000/001180155.pdf

    では、薬局・薬剤師にはどんなテーマがあるのか。5つの研究がスタートする予定となっています。

    1. セルフメディケーション推進による医療費の増減等を含めた効果測定法の基盤整備のための研究(24IA2001)
    2. 要指導医薬品及び一般用医薬品の販売における薬剤師等の資質向上のための研究(24KC0701)
    3. 国内における調剤業務の効率化に係る方策の有用性・安全性の評価・検討のための研究(24KC0801)
    4. 専門薬剤師の機能評価のための研究(24KC0901)
    5. 薬剤師の対人業務の評価指標の開発のための研究(24KC1001)

    以上の流れから、「対人業務をさらに具体的にとらえる動き」を垣間見ることができます。そこには、何をもって対人業務というのか、その成果指標の具体化までが議論されており、令和8年にはこれらのデータが根拠となった議論が進むことがうかがえます。

    今回のまとめ

    先ほどの新しい検討会と合わせてみると、地域の中で発揮する薬局機能と対人業務について、新たな指標が検討されているように見受けられます。令和6年では、かかりつけやフォローアップ、在宅、地域支援体制加算といったところへの議論は、過去の記事からご紹介させて頂いた通りですが、さらに次の改定議論では、まったく違った内容がでてくるのかもしれません。令和6年の改定内容とともに、引き続き情報提供をしていきたいと考えます。(終)


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    医療経営士タカヒラ
    医療経営士タカヒラ
    医療経営士。複数社でMR、マーケティング、トレーナーなどを経験し、現在はKAKEHASHIでマーケティングを担当。ネコと娘と関係省庁が出す資料(PDF)を夜な夜な読み込むのが好き。薬局経営者の方々の意思決定のお手伝いができるよう、日々精進しています。
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