在宅はどうなる?中医協レポートから改定の方向性を考察してみた|医療経営士タカヒラの薬局動向PICK UP(6)
2024年の調剤報酬改定まであと1年を切ったところですが、来年の調剤報酬改定に向けた議論が関係省庁では着々と進んでいます。その議論の背景を紐解くと、来年以降の薬局経営のヒントを「先取り」することができる……! |
解説する人:タカヒラ
医療経営士。MRで複数社を経験し、現在はKAKEHASHIでマーケティングを担当。猫と娘と関係省庁が出す資料(PDF)を夜な夜な読み込むのが好き。薬局経営者の方々の意思決定のお手伝いができるよう、日々精進しています。 |
先日「調剤報酬改定の施行時期が2024年6月に変更」という大きなニュースも飛び込んできましたが、一方で、24年度改定に向けて中医協がどんどん動き出しました。直近では、入院や外来といったテーマの議論が開始され、在宅についての議論がはじまっています。
この在宅に関する議論(在宅(その1))は、薬剤師の関わりについても多くの内容が盛り込まれているので、今回の記事でピックアップしてみました 。
目次
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どうなる?在宅医療との関わり方
まずは、7月12日の中医協にて、地域包括ケアシステムにおける在宅医療の新しいイメージ図が公開されました。
引用元:厚生労働省|中央社会保険医療協議会 総会(第549回)議事次第
患者さんを、それぞれの立場から支えていくことが表現されています。そして上部に記載があるように、医療と介護の連携が重要であることは、これまでの同時改定意見交換会からも明確に示されています。
このような連携の中で、薬剤師には薬剤管理が期待されていることも、ご存じの通りです(過去の連載 Vol.3参照)。
「急性疾患による入院」が地域包括病棟に
ここで注目すべきは、急性疾患による入院が、急性期病院ではなく地域包括ケア病棟になっている点です。例えば、誤嚥性肺炎などの急性疾患も、急性期の病床ではなく、地域包括ケア病棟に搬送されるようになる可能性があります。
こちらの例を筆頭に、今後の医療の流れに変化があるかもしれません。退院支援の観点も踏まえて、地域の在宅で力を発揮している病院との連携はより重要になります。
「在宅医療を提供する病院」が増えている
診療所や病院側に関するデータを見ていきます。在宅医療の提供件数には大きな差があるのが現状ですが、最近は、在宅医療を提供する病院の数が増えています。この点からも、今後は病院との連携の必要性は増していくと考えられます。
引用元:厚生労働省|中央社会保険医療協議会 総会(第549回)議事次第
薬剤師に期待される「個人宅への在宅医療」
ここからは、薬局・薬剤師との関わりについて取り上げられているところをピックアップしていきます。
在宅医療への薬局・薬剤師に期待される役割は「地域包括ケアを支える存在を期待する」という方向性に大きな変更はありません。今回の中医協の議論では、もうすこし各論に入ったところに注目ポイントがありそうです。
引用元:厚生労働省|中央社会保険医療協議会 総会(第549回)議事次第
例えば「個人宅への在宅医療への参入」です。第8次医療計画にも記載されているように、介護保険の算定ではなく、医療保険の算定へのシフト、つまり施設在宅だけでなく個人宅への在宅医療参入が求められており、昨今の流れは一層強まってくるでしょう。
期待される「在宅患者訪問時の薬剤管理指導」の実施
引用元:厚生労働省|中央社会保険医療協議会 総会(第549回)議事次第
さらに、薬剤師と各関係者との連携状況が報告されており、とくに医師同行訪問では、より薬学的管理が実施されるケースが右肩上がりで増えているようです。この点から、医師同行については、中医協で引き続きどのような議論となるのか注目です。
さらに注目?薬剤師と医師の連携(同行訪問)
引用元:厚生労働省|中央社会保険医療協議会 総会(第549回)議事次第
薬剤師と医師の同行訪問について、同行した場合は、同行していない場合に比べて「患者の状況に合わせた処方提案」や「薬物治療に関する助言」などの薬学的管理が多く実施されていることが報告されました。
これは今後、薬剤師がより地域医療に根ざしていく際に、在宅医療やターミナルケアへの関わりとして、麻薬、無菌、点滴静注、夜間対応などの必要性とひもづく話となっており、改めてこれらの重要性が確認されています。
ターミナルケア関連における加算はあるか?
引用元:厚生労働省|中央社会保険医療協議会 総会(第549回)議事次第
また、「人生の最終段階への利用者・患者への訪問薬剤管理指導」の実施状況についてもレポートがなされています。ここから推察されるのは、加算やその要件へ影響を与えそうなポイントが在宅医療にある可能性が高いといえるでしょう。どのような議論が進んでいくのか、引き続き、注視していきたいと思います。
おわりに、そして 次回予告
今回は、中医協における在宅(その1)のポイントを見てきました。その1と記載されているように、今後もこの内容は改定に向けて、議論がつづいていきそうです。他にも重要な論点が、中医協に限らずさまざまな場所で議論されますので、引き続き注目ポイントをピックアップしていきます。(了)
▼ 第1回の記事はこちら!2024年の調剤報酬改定がいつもと違う「2つの理由」とは?
▼ 第2回の記事はこちら!薬剤管理の一元管理と、真の意図は?
▼ 第3回の記事はこちら!調剤報酬改定の重要キーワード、出揃う
▼ 第4回の記事はこちら!内閣府資料から読み取る「調剤報酬改定 2024」の行方(規制改革推進会議と骨太の方針)
▼ 第5 回の記事はこちら!BCP(事業継続計画)の4つのポイント
▼『調剤報酬改定2024まるわかりガイド』をご活用ください
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参考資料
厚生労働省|中央社会保険医療協議会 総会(第549回)議事次第|在宅(その1)
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001120008.pdf