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どうなる、介護報酬改定の基本方針。施行時期は?ポイントは?|タカヒラの薬局動向PICK UP(10)



2024年度の調剤報酬改定に向けて、関係省庁の各審議会では様々なデータと論点が提示され、いよいよその方向性と具体的な内容が明らかになってきています。どんな改定になるのかという点はもちろん重要ですが、その背景を理解することで、もう一歩先まで見通すことができます。

ということで、KAKEHASHIでは、どこよりもはやく24年の調剤報酬改定について、1年かけてじっくりと、タイムリーな情報をわかりやすくお届け続けていきます。

解説する人:タカヒラ


医療経営士。MRで複数社を経験し、現在はKAKEHASHIでマーケティングを担当。猫と娘と関係省庁が出す資料(PDF)を夜な夜な読み込むのが好き。薬局経営者の方々の意思決定のお手伝いができるよう、日々精進しています

今回の記事では、介護報酬改定の基本方針をめぐる議論について、現段階の方向性に絞って解説します。

2023年10月11日に開催された社会保障審議会介護給付費分科会にて、2つの重要な内容が議論されました。次回改定である2024年度改定は診療報酬、介護報酬、障害サービス等報酬の3つが同じ年度で改定となる「トリプル改定」ですが、診療報酬・介護報酬の両方を請求しているという薬局薬剤師の方々も多く、「介護報酬の議論が気になる」という方もおられるのではないでしょうか。

社保審介護給付費分科会での議論を踏まえ、介護報酬改定の方向性を探るポイント2点を確認していきましょう。

目次

目次[非表示]

  1. 1.その1:介護報酬も施行時期が後ろ倒し(4月→6月)が議論に
  2. 2.その2:介護報酬改定も方向性案が提示される。「感染症対策」から「看取り」に注目?
  3. 3.11月以降、2024年度調剤報酬改定に関する内容も具体的に

その1:介護報酬も施行時期が後ろ倒し(4月→6月)が議論に

「診療報酬改定の施行時期が2ヶ月後ろ倒しの6月となったことで、介護報酬改定はどうなるのだろう」。そう気になっている方々もおられるでしょう。

今回の審議会では、中医協の議論内容、医療DX推進の工程、そして医療保険との整合性の観点から確認がなされました。

出典:2023年10月11日第227回社会保障審議会介護給付費分科会資料(※1)

さらに「各シーンにおいて具体的にどのような対応が求められるか」という議論が行われ、診療報酬改定との足並みを揃える方向性が確認されました。

出典:2023年10月11日第227回社会保障審議会介護給付費分科会資料(※1)

このような流れから、介護報酬改定の施行時期も後ろ倒しとなり、診療報酬改定と足並みがそろう可能性があります。

しかし、この後ろ倒しにおいては、各事業所やベンダーの負担も考慮されていますが、診療報酬改定DXの文脈もあることは注目です。医療DX推進の観点からの一連の流れであり、様々なデータが連携していく全国医療情報プラットフォームを見据えた重要な一歩と言えそうです。

その2:介護報酬改定も方向性案が提示される。「感染症対策」から「看取り」に注目?

前回の記事では、診療報酬改定の基本方針の検討に関する資料に基づき、調剤報酬を含む方向性を確認しました。介護報酬改定についても、基本的な視点(案)改が示され、改定に向けた方向性が徐々に見えてきています。

出典:

2023年10月11日第227回社会保障審議会介護給付費分科会資料(※1)

「介護報酬改定に向けた基本的な視点」として挙げられた4項目を前回改定(令和3年度)と比較すると、その文言に大きな変化があるようには見えません。

(前回改定の概要は以下となります)

出典:令和3年度介護報酬改定の主な事項について(※2) 

このように比較すると、基本的な視点においては大きな違いが見られないように感じられます。ただし1点、注意すべきことがあります。それは、「感染症や災害への対応力強化」の項目です。これについては令和6年(2024年3月末)で一定の完了が見込まれるため、大項目からは外れているようです。

また、各項目の中の具体的な内容に注目するのもポイントとなります。

次回改定に向けた現在の議論では、同時改定意見交換会が開催され、診療報酬、介護報酬、障害サービス等報酬のいずれにおいても、その内容を踏まえたテーマ設定がなされています。

例えば「医療と介護の連携」について、前回(令和3年度改定)は「介護医療院における長期入院患者の受け入れ」などの議論がされましたが、次回(令和6年度)は「看取り」がメインになっています。

前回改定の中でも「看取り」はピックアップされていますが、次回改定においては、医療と介護の連携におけるテーマのひとつになっていることは注目です。

医療用麻薬に関する専門性を持っているという点からも、薬剤師の関わりの必要性も強調されており、前回との違いが伺えます。

本記事ですべての内容をとりあげたわけではありませんが、同時改定意見交換会を踏まえて今回の案を見ていくと、前回改定との違い、そして医療との関係性も垣間見えます。

11月以降、2024年度調剤報酬改定に関する内容も具体的に

これから2024年初頭に向けて、調剤報酬改定についてもさらに具体的な内容がつまびらかになります。

その内容自体はとても重要ですが、なぜそうなったのかの背景を踏まえ、この先はどうなるのか、どうしてこのようなことが必要となっているのかという点まで確認していくと、見えてくることもあるでしょう。その際、2024年が医療、介護、障害・福祉の「トリプル改定」の年であることを踏まえると、さまざまな情報がつながってくるかと思います。

ぜひ次回の記事でも、ご一緒にチェックしていきましょう。

参考資料
※1 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35686.html
​​​​​​​※2 https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000753776.pdf

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医療経営士タカヒラ
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医療経営士。複数社でMR、マーケティング、トレーナーなどを経験し、現在はKAKEHASHIでマーケティングを担当。ネコと娘と関係省庁が出す資料(PDF)を夜な夜な読み込むのが好き。薬局経営者の方々の意思決定のお手伝いができるよう、日々精進しています。
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