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地域連携薬局の認定にフォローアップツールが注目される理由


2021年8月に施行され、改正薬機法の目玉とも言える認定薬局制度。地域連携薬局または専門医療機関連携薬局の認定を具体的に検討したりすでに申請準備をしている薬局も多いのではないでしょうか。

本記事では、特に多くの薬局が認定を目指すであろう地域連携薬局に焦点を絞り、施行から1か月後の認定状況や、多くの薬局で申請のハードルになっている認定要件を紹介します。

また、認定に必要な「報告」に関する要件を満たす上で注目されるフォローアップツールも紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.厚生労働省が市民向けに地域連携薬局を広報
  2. 2.広がる地域連携薬局。わずか1か月で全国651軒に
  3. 3.申請のハードルとなるのは報告回数
  4. 4.患者さんの情報は、テクノロジーで抽出
  5. 5.まとめ
  6. 6.フォローアップツール『Pocket Musubi』に関する資料請求や個別のご相談はこちらから

厚生労働省が市民向けに地域連携薬局を広報

全国に1万ある公立中学校区に1つ以上あることが望ましいと言われる地域連携薬局。

厚生労働省も地域連携薬局の拡大に向けて情報発信を強化してます。

薬局関係者が特に注意すべきは、その情報発信先が薬局関係者だけに留まらず、一般の市民にも届く広報活動の中で「薬局の選び方」として啓発されていることです。

以下は一般市民向けに展開されている厚生労働省の広報記事の抜粋です。

厚生労働省Webサイト(*1)より

(略)相談しやすい薬剤師がいる、通いやすい場所にある、など自分に合ったかかりつけ薬剤師・薬局を見つけてください。薬局を選ぶうえで参考になるポイントを紹介します。(中略)今年8月から新しく始まった制度として「認定薬局」があります。「地域連携薬局」と「専門医療機関連携薬局」の二つを認定します。(中略)頼りになる相談相手としてぜひ活用してみてください。

厚生労働省が「薬局の選び方」を国民に伝えようとしていることは明確です。
以前から地域連携薬局の要件に近い取り組みをされていたと薬局も、患者さんにその取り組みを伝え信頼していただくためには、地域連携薬局の認定取得は重要であると言えるでしょう。


広がる地域連携薬局。わずか1か月で全国651軒に

それでは、地域連携薬局の認定取得に向けてどれほどの薬局が動いているのでしょうか。

2021年9月1日の時点で、薬局数にして全国651軒(43都道府県)が地域連携薬局として認定されていることが、株式会社じほうの調査によって判っています。

2021年8月の施行前からの事前申請ができたため、感度の高い薬局は予め申請手続きを準備していたことが伺えます。

株式会社カケハシにて、9月1日時点の公表されたデータを元に各都道府県の認定取得率を算出したところ、以下のような結果になりました。

(表)都道府県別の地域連携薬局認定率 上位20(*2, *3, *4)

各都道府県の地域連携薬局認定状況_2021年9月1日時点

2021年9月1日時点で、47都道府県全体の地域連携薬局の認定取得率は平均0.72%とまだまだ小さいですが、都道府県間の差は大きなものになりました。

人口の多い都道府県の取得率がやや高くなる傾向はあるものの、愛知県や福岡県など、大都市圏を有する地域でも認定数が小さい場合もあるようです。

また、政令指定都市のような比較的大きな都市を持たない茨城、三重、滋賀が上位10以内に入っていることも特徴的でした。

今後、患者さんが薬局を選ぶ際の基準の1つになるであろう地域連携薬局。認定された薬局がごく一部に限られる2021年は、認定取得が地域での存在感の発揮につながることが期待されます。


申請のハードルとなるのは報告回数

申請には、無菌製剤処理を実施できる体制や、1年以上継続して勤務している薬剤師の配置数など、ハード・ソフト両面で様々な要件をクリアせねばなりません。中でも多くの薬局が苦慮している要件が地域の他医療機関への情報提供回数(月平均30回以上)です。

東京都薬剤師会が実施した調査を基にした薬事日報の報道でも薬局の大きなハードルになっていることが伺えます。

薬事日報より引用 (*5)

「医療機関への情報提供実績月30回以上の要件を満たした薬局」はわずか14%にとどまり、大半は月10回未満の情報提供にとどまっていた。

また、この報告については、厚生労働省から「留意事項」として喚起されている点があります。

[薬生 発0129第 6号]より抜粋 (*6)

薬剤師が、服薬指導等から得られた情報を基に、処方した医師にとって薬剤の適正使用に必要な情報をとりまとめ、医療機関に勤務する薬剤師等に文書(地域情報連携ネ ットワーク等を含む。)を用いて提供する等、当該薬剤師の主体的な情報収集により、報告及び連絡したものであること。

ここには、地域の医療インフラとしての薬剤師の役割が、患者さんの情報収集を行い専門的知見に基づき解釈して、取りまとめることにあるというメッセージが伺えます。つまり、患者さんの継続的な状況把握が薬剤師に期待されているということです。

患者さんの情報は、テクノロジーで抽出

厚生労働省は報告や連携の実績について次のように示しています。

[薬生 発0129第 6号]より抜粋

報告及び連絡については、医療機関との連携を確保するために設けたものであり、本規定で定められた実績を達成すること自体を目的とするのではなく、当該実績を満たした後であっても、薬剤師が医療上必要と認める場合や利用者が希望する場合等はその都度行うことが求められる

つまり、回数に関わらず、常日頃から患者さんの状態を把握し、報告が必要かどうかを判断できる業務体制整えることが求められるということです。

最近は、「患者のための薬局ビジョン」にて、「患者情報の継続的な把握ためにはテクノロジー活用」(*7)が必要になることが示されたこともあり、専用アプリやITツールで効率化を検討する薬局も増えてきました。

その結果、患者情報の継続的取得を効率よく行うために、フォローアップツールが注目されていると言うわけです。

実際、弊社においてもフォローアップツール導入に関する相談が増えています。

「Musubi」のフォローアップツールの場合は、全患者さんを対象にできる網羅的な自動スクリーニング機能を備え、さらに薬剤に応じた個別の質問を『LINE』を介して自動で送信します。その回答によって服薬上の問題をシステム上で自動発見し、薬剤師にアラートを出すという仕組みを持っています。

このように効率的にキャッチしたフォローアップ内容をトレーシングレポート作成に活かすことで、地域医療に貢献でき、認定薬局としての体制構築につながっていくのではないでしょうか。

なお、「Musubi」のフォローアップツールの詳細はこちらのページからぜひご参照ください。


まとめ

本記事のまとめは以下の通りです。

  • 厚生労働省は「薬局の選び方」の一つとして地域連携薬局を国民に広報している
  • 地域連携薬局の認定は全国で進みつつあるが、報告回数など多くの薬局にとってのハードルも顕在化してきた
  • 報告は薬剤師が主体的に収集する患者情報を元に行われるべきで、服薬期間中のフォローアップがカギである
  • フォローアップはICTツールを活用して効率よく遂行できる

いかがでしたでしょうか。

地域連携薬局の認定状況や、申請のハードルになっている要件を踏まえて、薬局経営の次なる打ち手、今後収集するべき情報のヒントになれば幸いです。


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参考:

*1:厚生労働省|健康のために身につけたい薬の教養 薬・薬局の新常識 https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou_kouhou/kouhou_shuppan/magazine/202109_00001.html



*2:PHARMACY NEWSBREAK|全国の地域連携薬局、認定開始1カ月で651軒に

https://pnb.jiho.jp/article/218097



*3:厚生労働省|令和元年度_衛生行政報告例_概況

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei_houkoku/19/dl/kekka5.pdf



*4:総務省統計局|人口・世帯

https://www.stat.go.jp/data/nihon/02.html



*5:薬事日報|【都薬】地域連携薬局の認定に壁‐届出予定、2割に満たず

https://www.yakuji.co.jp/entry89953.html



*6:[薬生 発0129第6号]|医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行について(認定薬局関係)

https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000731165.pdf



*7:患者のための薬局ビジョン

https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/gaiyou_1.pdf

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