Musubi導入事例

「対物から対人」は、薬局の可能性を広げる~広島の地域密着型薬局とMusubiの2年間【前編】

広島県 株式会社ドラッグしみず
代表取締役 薬剤師 清水 満明さん
総合事務主任 黒木 綾花さん
広島県西部で調剤薬局を経営する株式会社ドラッグしみずは、『Musubi』の各種機能をフル活用し、「薬剤師の能力の最大化」と、新たな取り組みによる「患者さんとのつながり醸成」を全社で実現させています。今回は、経営者、管理薬剤師、薬局長、事務職員の4人に、導入後の約2年で社内に起きた変化を、2回に分けて振り返っていただきました。
前編は、清水社長と総合事務(事務も含めた総合職)の黒木さんによる、社内で感じる変化についてです。
  • 法人の特徴
    • 法人の創業は1953年。現在は広島市佐伯区、廿日市市で調剤薬局計7店舗を経営
    • 調剤業務のみでなく「認知症カフェ」をはじめとした特徴的な地域貢献活動を続ける
    • 在宅業務に積極的に取り組む
  • 株式会社ドラッグしみず×Musubiが生んだ成果
    • 服薬期間中フォローにおけるオペレーションを確立。確立前の2021年度の半年間と、2022年度の半年間を比較し、フォロー件数が2.3倍に(約900件→約2100件)
    • ワークショップを通じ、店舗間、薬剤師/非薬剤師を問わず、『Musubi』活用ノウハウを「還流」させる

薬局は地域インフラである

清水社長

清水社長:
法人の創業は1953年ですが、前身は戦前から祖父が営んでいた商店です。地域の方々の中には、今も私たちの会社を「しみず」と呼ぶ方もおられます。戦後の荒廃した広島で、祖父は「人の役に立つ」をモットーに商いを続け、薬剤師だった父が薬局という業態を選び、今に至ります。

会社として職員全員にホスピタリティや顧客ロイヤルテイの醸成を進める中、肝要となるのは「薬剤師力」の向上と位置づけています。薬剤師力がある人材とはどのような職員か。私は、薬学的知見と人間力がつながり合い、決断・判断・行動ができる者と定義しています。このような人材育成が、薬局が地域インフラとして存在し続ける要になると考えています。

私は20年ほど前にこの会社を継ぎましたが、その当時からマンツーマンの分業自体に違和感を覚えていました。薬局の存在意義は、病院の方ばかりを向いて処方箋獲得に走るのではない、地域のインフラであるべきだ、という思いが強くあり、在宅業務の推進や認知症に関する地域イベントに取り組んできました。

 

「対物から対人」の流れで『Musubi』を知る

清水社長:
近年の調剤報酬で対人業務を評価する流れが顕著になるまでは、ホスピタリティを重要視した取り組みをする会社の方針に対し、「点数にもならない」と感じる職員もいましたし、中には離れていった人もいます。だからこそ、対人業務が国からも評価されるようになったという事実を、現場にもしっかりと浸透させ、行動に移したかった。研修をしたり、ツールを探したりしながらもしっくりこないと思っていた中、『Musubi』を知りました。

健康アドバイスなどを活用した「薬剤師力」の底上げ、『Musubi』の分析機能を活用した薬局の取り組みの「見える化」、フォローアップツールによる服薬期間中における患者さんの状態把握。こんな風に、いままでできなかったことができるイメージを持てたため、導入を決めました。

「薬局の待ち時間」というネガティブイメージをポジティブに。

黒木さん

黒木さん:
私たちの会社では調剤事務、薬剤師補助、運営企画と営業等を行う者を「総合事務」と呼んでいて、私もその一人です。フォローアップをするためには患者さんの来局時に何かしらのつながりを作っておく必要があります。その一つが、『Musubi』の機能を使ってフォローをするためのつながりづくりです。 

患者さんにお声がけするタイミングとしては、受付時に処方箋を受け取った時と、待合スペースにおられる時があります。特に待合スペースにおられる時は、「薬局の待ち時間」というネガティブなイメージをお持ちの方も少なくありません。

せっかくお越しいただいた患者さんやお客様に、待ち時間も良い時間を過ごしていただきたい。だから、総合事務が新しいツールをお伝えしたり、なにかお話をしたりする。そんな体験と、薬剤師の服薬指導を受けて、「この薬局に来てよかった」と良い気持ちでお帰りいただけたら……。そういうポジティブなイメージを大切にして、一人ひとりにお声がけしています。

説明の際には、フォローが義務化になったことを伝えつつ、具体的なツールの活用方法を織り交ぜてお話します。コツは、ツールによってつながった先にある、新たな薬局体験をするお客様の姿を想像しながら、患者さんにもそのイメージを持っていただけるようにご案内することですね。

具体的には、フォローアップはすでに義務化されていることを事実としてお伝えし、患者さんにはLINEか、電話か、SMSのどれがツールとして使いやすいかを、ご自身で選んでいただいています。患者さんに納得いただくにはどうしたらいいか、といった課題や事例も店舗間で共有しています。

『Musubi』の分析機能を使うとあちこちの店舗でつながりが生まれていることがわかります。データを通じて、フォロー件数が全社で2倍以上に増えているのを見ていると、「伝え方は本当に大切なのだな」と実感しています。
 

「見える化」で見えるようになり、変わったこと

平良しみず薬局の薬局長、原田さん

清水社長:
『Musubi』の分析機能を使うと、薬歴を書く時間からかかりつけ薬剤師の取得状況まで、いろんな項目が「見える化」されます。これによって、正当な評価や、根拠を持った業務改善にあたることができます。

これまで全社を上げて薬剤師力を高めようと、職員表彰やインセンティブを検討したことはありました。ただ、現場を見ると、そこまで喜びにつながっていないと感じていて。

薬剤師力の向上に必要なのは、職員が「どうしたらいいか」をつかみ、行動を変えられるきっかけや根拠なのではないか。そう考えていたので、『Musubi』を活用することで、データで行動のきっかけや根拠を提示できるようになって良かったと感じています。

黒木さん:
『Musubi』の分析機能が「見える化」してくれるのはデータだけではなく、患者さん、職員、いろんな人の「思い」も見えるようになっているような気がしています。会社や薬局の一員として取り組んでいることが数値に出てうれしかったり、患者さんとのやり取りで「ありがとう」の言葉をいただいたり。こういうエピソードを通じて、「私たちが続けてきたことってよかったんだ」と思えるのです。
 

薬剤師と非薬剤師、正社員とパート。壁を越え、一緒に取り組む

黒木さん:
『Musubi』が導入されて、会社全体でできることが増え、業務内容も変わってきました。「患者さんに喜んでもらう」を突き詰めていくと、業務の幅はどこまでも広がっていくのだな、と感じています。服薬指導後フォローのためのつながりづくりも、薬剤師さんだからとかパートナーだからとか、正社員だから、パートだからという考え方は基本的にとっぱらって、まずは一緒にやってみるようにしています。

これまでも、会社のホームページ制作や、地域貢献活動の一環として行う「認知症カフェ」のチラシデザインも、私が担当してきました。元々はデザインのスキルはゼロだったのですが、どんなデザインであれば皆さんに関心を持っていただけるか、試行錯誤しています。

どの業務も、「薬剤師ではない事務職員だから引き受けよう」とは考えていません。「いい薬局体験をしていただきたい」という思いを持っている私にとって、やりがいのある業務を任されているんだ、と受け止めています。

逆に私が他の職員に何か業務をお願いする場面でも、「薬剤師さんだから」「事務さんだから」ではなく、その人の得意分野であったり、個性を理解したりしたうえでお願いするようにしています。

地域の皆さんの「人生の1ピース」として。

清水社長:
繰り返しになりますが、私たちにとって薬局の役割は地域インフラであること。地域の皆さんの健康を守っていくためには、接点を増やすことが必要ですし、地域の医療機関との連携も欠かせません。

一方で、うまくいかないことはもちろんあります。以前、処方提案のトレーシングレポートを医療機関に提出したところ、お叱りを受けたこともあります。社内ではまず、「処方変更は必要だが、文面が若干冷たかったかもしれない」と振り返りました。

ただ、そこで終わってはいけません。重要なのは患者さんです。その時は、別の薬剤師がお電話でコミュニケーションを取り、処方変更につなげました。

患者さんの健康を考えたら、服薬情報提供料の算定のためでも、医師のためでもなく、薬を変えてもらうことが何より大切。そのためにできることは何か、会社のみんなで「薬剤師力」を発揮して考え、「コミュニケーションを工夫する」という決断・判断・行動ができたと感じている出来事です。

地域の皆さんの人生の1ピースになりたい。そんな思いを持った人材が、地元にしっかりと根を張った薬局経営においては欠かせません。『Musubi』の導入や活用が、そんな人材を成長させているように思っています。(了)

取材にご協力いただいた4人。左はファインしみず薬局管理薬剤師の國本さん
後編は以下からご覧いただけます。
更新日:2023/1/16

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