■聞き手 齋藤晋二
株式会社カケハシ Musubi Insight PdM/ 薬剤師
病院勤務経験と、調剤薬局の現場10年の経験を持つ薬剤師。調剤薬局では店舗運営業務や多店舗支援、特養調剤業務の立ち上げなどに取り組む。カケハシに入社後は、指導文などの医療コンテンツ作成およびチーム組成を経て、現在は薬局業務“見える化”クラウドのPdMを務める。
齋藤:
これまで何度かオンラインでヒアリングをさせていただきましたよね。今回、「齋藤さん、地域支援体制加算2が取れました。うれしいです」とご連絡をいただいたので、直接お話を伺いに来ました。
仁位さん:
本当にうれしくて、思わずご連絡しました。ただ、いろいろ調べてみると、「地域支援体制加算1を届け出ていた施設が2へ」というパターンって、決して珍しくはないのかなとも思っていて。
齋藤:
とはいえ、若葉薬局さんは事業承継して約2年、元々は在宅をやっていない状況からのスタートですよね。
仁位さん:
そうですね。ご縁があってこちらの薬局を事業承継することになり、開設者となる少し前から働き始めたのですが、当時は在宅をやっていませんでした。経営者となったら在宅はぜひやりたいけど、どうやって患者さんとつながるんだろうと思っていたのです。するとある日、いつも通り薬局内で勤務していると、医師の先生が「在宅の患者さんがいるから、お願いしたい」と相談にお越しになったんです。
齋藤:
突然お越しになったのですか。なかなか珍しいケースですね。
仁位さん:
びっくりしましたけど、うれしかったですよ。「地域の薬剤師に来てもらう。それならまずは地域の薬局に聞いてみよう」と考えてくださったのかと思います。ただ、実はそこからが大変で。相談をきっかけに調べてみると、承継前の薬局では、在宅などのサービスを行うことを辞退する手続きをしていたと判明したのです。改めて申請をして、何とか対応したのですが。
齋藤:
地域支援体制加算の届出をする、という以前に、在宅ができない体制だったのですね。
仁位さん:
はい。経営者として在宅業務を始めてみると、契約関係から、患者さんの関係者との連携まで、やらなければならないことは多岐に渡っていました。
齋藤:
そうですよね。僕が薬剤師として勤務していた時も、個人在宅と施設在宅における違いの大きさも感じました。常勤が一人という状況で、薬局で調剤も服薬指導もして、そして経営に関するあらゆる手続きをするのは大変ですよね。
仁位さん:
本当に大変でした。元々は紙薬歴の薬局でしたので、在宅をやっていくことを踏まえても、業務効率化は必須でした。ですから事業承継すると同時に、『Musubi』を導入しました。
齋藤:
実は僕も薬局開業を考えたことはありましたが、度胸がなかったんですよ。資金も必要だし、薬局で勤務するのと経営とを比較してしまって。踏み切れる人と踏み切れない人がいる中、仁位先生はなぜ開業に踏み切れたのでしょうか。
仁位さん:
タイミングが合った、というのはありますが、「自分がやりたいことをやりたい。自分で経営すれば、『薬剤師としてもうやれることがない』というくらい、ある種おせっかいなところまでできるかな」と。薬を受け取って終わってしまう。そんな空間とは異なる薬局を目指したい、と思ったのです。
齋藤:
店舗内もリフォームしたとおっしゃっていましたよね。
仁位さん:
はい。本当はアロマを使った空間づくりなどやってみたいことはたくさんあるけど手が付けられていなくて。いかに時間を確保するかが本当に重要なんです。
ですから、『Musubi』の薬歴機能だけではなく、分析機能の数字やグラフを使って、薬局の状況を確かめて行動するようにしています。
齋藤:
具体的にはどのように使っていますか。
仁位さん:
何となくやってしまう一つ一つの業務を、分析機能を通じて「あ、私、こんなことに時間を使っているのか」と客観視するために使いますね。常勤が一人なので、薬歴の記載にどのくらい時間がかかっているか、何曜日の何時に、大体何人くらいの患者さんが来局しているかを踏まえて、いかに効率的に進められるかが重要です。健康アドバイスをあまり使えていないな、とわかると、「使ってみよう」と心がけてタッチしてみますし。データで見える化されていることで、次の一歩を考えるヒントをもらえますね。
齋藤:
この秋、地域支援体制加算2を取得された時は、とても喜んでいましたね。
仁位さん:
はい、加算によって、常勤の薬剤師を1名採用できるほどになりますから。今まで「薬局を長時間あけることになるから」と感じて多くは対応できなかった在宅にも、もっと積極的に対応できそうです。
齋藤:
確かに、お一人で経営している薬剤師の先生の場合、あまりに多くの在宅の患者さんと契約してしまうと、先生ご自身に無理が来てしまう。一方、患者さんの生活状況も変化があるので、いつでも在宅の患者さんがおられるという状態ではありませんし、なかなか難しかったですよね。
仁位さん:
そうなんです。在宅の患者さんのところに出向くときは薬局を離れなければならないので、薬局内の業務と在宅業務のバランスを考えるのが重要でした。『Musubi』の分析機能を使って、今の自局の状況であればどのような加算を取れるか、データを基に考えるようにしていました。
齋藤:
ただ、ジェネリックを増やしていくことは「難しかった」とおっしゃっていたのを覚えています。
仁位さん:
チャレンジしてみてもなかなかうまくいかないことは、本当にいろいろありました。それでもやれることはやっていきたくて。
齋藤:
その中で、『Musubi』の分析機能を使って1年間あたりの薬局の実績を調べると、地域支援体制加算2の要件を満たせているのではないか、と気付いたのですよね。
仁位さん:
はい。データがあるので、各要件に当てはまるかどうかの下調べをするのが本当に簡単でした。実績が要件を満たしていると気付いて、急いで届出書を出したところ、無事に取得することができました。
齋藤:
地域支援体制加算2の要件を満たすために、在宅の実績が足りなくて届出が出せないケースがありますが、仁位先生はその部分をしっかりと頑張っていたからですね。
齋藤:
仁位さんのような薬剤師の先生の姿を通じて、もっと『Musubi』の分析機能でできることを増やしたいと思っています。中でも令和4年度の調剤報酬改定で見直された地域支援体制加算への関心の高さはひしひしと感じていたので、さらにわかりやすい「見える化」をしました。
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仁位さん:
地域支援体制加算の算定要件と実績が、さらに一目でわかるようになりましたね。タッチしていくだけで確認ができるので便利です。
こうやってお話をしながら振り返ってみると、この薬局の経営を始めて、また、『Musubi』を使うようになって2年。日々いろんなアップデートがされる『Musubi』によって、私のような開設者兼管理薬剤師の手間がどんどん省けてきているなと思っています。
ちょっと話がそれますが、私自身、自分にない何かを持っている人に対して、興味があるんですよね。「あったらいいな、できたらいいな」と思っている機能が次々と増えていく『Musubi』を「とても面白いな」と感じるのは、私のそういう考え方もあるのかもしれないです。
齋藤:
今後の薬局経営で「もっとこんなことがやりたいな」と思っていることはありますか。
仁位さん:
この地域でできることを増やしたいと考えると、ゆくゆくは何らかの形で無菌調剤室を設置したり、店舗を増やしたりということになるのかもしれません。まずは常勤の薬剤師さんに仲間入りしていただいて、体制を整えていきたいですね。(了)
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