安田さん:
Musubi導入前は、レセコン一体型の電子薬歴を使っていました。その時代は「電子薬歴=薬歴を書くツール」として、記入だけを行なっていました。ある日、Musubiの存在を知り、説明を受ける機会がありました。「Musubiなら患者さんによりよい服薬指導ができるようになるし、薬剤師のレベルも上がりそうだ」と思い、導入を決意しました。
ー経営層によるMusubiの導入決定。受け入れる店舗側に不安はありましたか?
庄源さん:
管理薬剤師の立場としては、服薬指導の質向上は課題でしたし、Musubiを導入すると薬歴の記載時間が減るという噂も耳にしていたので、「待ってました、ぜひ導入してください」と安田さんに伝えました。
ー実際に導入がはじまったとき、現場薬剤師の反応はどうでしたか?
庄源さん:
最初は「えー、変わるの……?」という不安の声がありました。特にベテラン薬剤師から不安な様子が伝わってきたのですが、結果的にパソコン操作が苦手な60代の薬剤師も、はやい段階で使いこなすことができたのはうれしい誤算でした。
安田さん:
Musubi導入後、最初の3か月は以前の電子薬歴からデータ移行を行いましたが、導入店舗で一斉に取り組んだこともあり、スムーズに完了できました。これまでは紙に印刷した情報を見ながら薬歴を記入するという習慣があったのですが、Musubi導入をきっかけにペーパーレス化にも成功しました。
ーMusubi導入後6か月後ごろには、どんな変化がありましたか?
庄源さん:
半年経ったころには、明確に薬歴の記載時間が減りました。そして、薬歴に記載する情報のボリュームがあがり、質が向上しました。
これまでは「薬歴……すぐに書かなきゃ……」とわかっているけど、他の業務を優先してしまい後回しにしてしまうことがあったのですが、Musubiは服薬指導をしながら薬歴の下書きがタッチ操作で書けるので、精神的負担が減りましたね。
薬歴を書いている途中でわからない薬剤情報や副作用があっても、Musubi内で最新の添付文書や副作用についての情報が確認できるので、知識のアップデートにも活用しています。
安田さん:
新人の薬剤師や、ブランクのある中途入社の薬剤師にとっても、Musubiがあれば最新情報がわかる点は助かっていますね。また、管理職としては、店鋪ごとに薬歴未完了の情報が一目でわかるのはうれしいですね。未完了があるときは、理由を確認しています。
庄源さん:
Musubi導入後は、残業せずにサッと帰宅するのが習慣になりましたね。
ー薬歴記載の効率化以外には、どんな変化がありましたか?
庄源さん:
トレーシングレポートを積極的に書きはじめました。トレーシングレポートは、2020年の薬機法改正以降、注力していきたいと思っていたのですが、これまでは薬歴とトレーシングレポートの記載内容が連動しておらず、情報共有がスムーズにいかないことが課題でした。Musubi導入後は、トレーシングレポートを書きやすくなりました。例えば、検査値の情報なども盛り込みやすくなり、内容も充実してきましたし、書き溜めた情報にアクセスしやすくなりましたね。
安田さん:
社内での事例検討会で、トレーシングレポートに記載した情報が役立ちました。「こういう情報をドクターに伝えればいいのか」「こういう記載をすれば点数が取りやすいのか」など、これまで気づかなかったことがグループ全体のナレッジとして蓄積されるようになったのは、大きな変化だと思います。
庄源さん:
うれしかったのは、患者さんの減薬に成功した事例ですね。Aさん(仮名)は大量の薬を服用されており、いつか減薬したいなと思っていました。ある日、Aさんに投薬をしていると「実は、医師に薬を減らしてほしいとお願いしたんだけど、叶わなかった」と打ち明けてくれたんです。これはいい機会だと思い、症状をしっかり伺ったうえで、トレーシングレポートに記載したところ、実際に医師が減薬を実施してくれました。こういった事例を増やしていきたいと考えています。
安田さん:
導入してから半年間ぐらいは、Musubiのサポート担当に何度も電話させてもらいました。最初は「この機能の使い方が不安」という場面もありましたが、些細な相談でも対応くださり、とても助かりました。
安田さん:
実は、Musubiを導入するときに「患者さんの満足度を上げたい」という想いがありました。だから、服薬指導のレベルアップは重要だと考えていたんです。
庄源さん:
患者さんのなかには口数が少ない方もいらっしゃいます。さらに慢性疾患の患者さんの場合、処方内容もあまり変化がないケースもあり、服薬指導中に会話が生まれにくいこともあるのですが、患者さんにイラスト付健康アドバイスをお見せすることで、会話のきっかけが生まれて、深いヒアリングができるようになりました。健康アドバイスの内容も最新のエビデンスに基づいているので、安心して活用することができます。
安田さん:
そういった成功事例をグループ薬局間で共有することにより、グループ全体で「服薬指導に対する意識」が高まってきたと実感しています。
庄源さん:
そういえば最近、いま古府店で実習している学生が「Musubi、使いやすいですね」と言ったんです。その実習生は、Musubiのある環境で実習がはじまり、その後、Musubiが導入されていない薬局でも実習を行っていたのですが、そのときは投薬や服薬指導に苦労したそうです。
安田さん:
今後、新卒薬剤師もMusubiがある環境で働きはじめると、業務に慣れるスピードが上がるだろうと考えています。
ー今後、Musubiを活用して実現したいことはありますか?
安田さん:
Musubiの分析機能をつかって、技術料の加算状況などを店鋪別にグラフで可視化し、店鋪ごとに対策を講じるなどして、売上向上を図っていきたいですね。各店舗の月次報告書といったレポート作成の負担も減らしていきたいなと考えています。
庄源さん:
今後は在宅領域でも活用したいですね。Musubiを現場に持ち出して、辞書のように使っていきたいです。
安田さん:
Musubiを使い倒すことによって、薬剤師の指導レベルや介在価値はもっと高まると思っています。同時に、患者さんの満足度の向上も図っていきたいですね。
また、Musubiを導入していることが採用時のアピールになればうれしいです。「Musubiのある薬局は、患者さんからも選ばれているから就職したいな」といった声が増えるといいなと思っています。Musubiのある環境が、これから薬剤師をめざす学生にとって、働きがいのある場所になってほしいと思います。
ー最後にお伺いさせてください。安田さんと庄源さんにとってMusubiは、どういう存在ですか?
安田さん:
わたしにとってのMusubiは「チャレンジできるもの」です。業務効率化もトレーシングレポートも、あたらしい取り組みは、Musubiがあったから挑戦できた部分もありました。これからも「Musubiを使って、やってみよう」というチャレンジがたくさん生まれていくと感じています。
庄源さん:
そうですね……「Musubiは、イノベーション」ですかね。導入後から少しずつ、気づかないうちに薬局全体にイノベーションが起きたと思います。これからも何が起こるか、たのしみです。(了)
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