Musubi導入事例

Musubiが先服薬指導のきっかけに。薬歴の負のスパイラルを抜け、薬剤師業務の再構築へ

第一薬局 医大前店 山﨑 大典さん
Musubiが先服薬指導のきっかけに。薬歴の負のスパイラルを抜け、薬剤師業務の再構築へ

和歌山県に12店舗を展開する第一薬局。和歌山県立医科大学附属病院に隣接する医大前店では、従来から課題となっていた薬歴記載の負担を軽減すべくMusubiを導入。利用開始からわずか1ヶ月にして薬歴による残業はゼロに、そして先服薬指導をはじめとした業務プロセスの再構築にも着手されています。課題の解消にいたる経緯や具体的な取り組みについて、管理薬剤師の山﨑大典さんに伺いました。

慢性疾患から難病まで幅広く対応、地域の頼れる薬局として在宅の依頼も増加中

地域密着、10分〜15分で患者さんのもとへかけつけられるように

第一薬局は「あなたの笑顔が第一」をモットーに、和歌山県内に12店舗を運営しています。もしも患者さんに何かトラブルがあった際、すぐ駆けつけられる距離にある薬局でありたいという思いから、地域に根ざした店舗展開を徹底。近隣にお住まいの患者さんに幅広くご利用いただいています。

産休育休の取得を推奨。長く働ける薬局を目指して

現在は約100名ほどのスタッフが在籍しています。新卒採用も積極的に行っており、若手からベテランまで幅広い世代が一緒になって働いているのがひとつの特徴です。腰を据えて働ける薬局でありたいという社の方針もあり、店舗間でヘルプしあいながら、無理なく働ける店舗づくりを心がけています。

医大前店では、慢性疾患から難病まで幅広い患者さんに対応

私が担当する医大前店は、開局17年目になります。隣接する和歌山県立医科大学附属病院をはじめ、地域のクリニックからも広く処方箋を受けており、慢性疾患から難病まで多様な処方に対応。分子標的薬やバイオ製剤の取り扱いも多く、難病治療薬や新薬も積極的に在庫しています。

スタッフは現在、薬剤師9名、事務5名の14名体制です。年齢層は60代のベテランから20代の若手までさまざま。カウンターにパーティションを設置し、加えて相談室を設けるなど、外来の患者さんにご相談いただきやすい店舗づくりに力を入れている一方、最近は在宅のご相談をいただく機会も増えてきました。

薬歴に追われる日々に、業務改善を考える余裕もなく……

多科・多剤の処方がほとんど。レセコン一体型の電子薬歴では、患者さん一人あたりの薬歴時間は10分以上に

医大の処方は、処方箋が4〜5枚に及ぶような多剤であったり、診療科目が2科〜3科に渡ったり、数種のハイリスク薬を複数の薬効で使用されたりと、複雑な内容のものがほとんどです。以前は大手メーカーのレセコン一体型電子薬歴を活用していたのですが、患者さんお一人分の薬歴を仕上げるのに10分以上かかってしまうのが当たり前でした。いかに素早く薬歴を書き切るかが、健全な薬局運営を妨げる喫緊の課題だったんです。工夫しようにもその余裕すらない状態で、残業でなんとか乗り切ったり、処方箋が比較的少ないタイミングやお昼休みに集中して書いたりと、薬剤師一人あたり週に5〜6時間は黙々と薬歴を書くだけの時間になっていました。

叫ばれる「対物から対人へ」、でもどうすれば……

正直、当時は対人業務どころではなかったと思います。薬歴を書くという対物業務に完全にとらわれている状況で、みんな口癖のように「書けない」「書く時間がない」と、とにかく埋めるのに必死でした。次の患者さんをお待たせするわけにはいきませんから、どうしても薬歴は後回しになります。思い出しながらの作成だとさらに時間がかかってしまい、スムーズには進みません。それでまた次の薬歴がたまっていく。まさに負のスパイラルでした。

「早く書ける薬歴」で検索し、Musubiを発見。ごちゃつきのない画面と操作性に“ほかとは違う”と確信

そんな状況のなか、「早く書ける」「薬歴」といったワードで検索し、たまたま目についたのが Musubi です。タブレットPCの画面タップで、服薬指導中に薬歴の下書きが仕上がるという仕組みを知って、「これはいいな」と。その時は私一人の胸の中にしまっておいたのですが、しばらくして別店舗の管理薬剤師から「こんなシステムがあるんだけど」と紹介されたのが、Musubi だったんです。それを機に、実際にデモを見せていただいて。第一印象で、“他のシステムとは明らかに違う“と確信しました。次世代薬歴を掲げたいくつかのシステムについても同じく調査していたのですが、Musubiはまず画面のレイアウトが違いました。とても見やすい。文字やオブジェクトの配置もそうですし、文字のフォントや行間にも配慮されていますよね。スマートフォンのような、シンプルで直感的な操作性も好印象で、これならばITの得意不得意にかかわらず、みんな問題なく使えるだろうと直感しました。開発元のカケハシ社に多くの薬剤師さんが在籍していて、Musubi の開発に深く関わっていること。また国の政策方針に沿ったサービス開発がなされていることから、今後の開発方針に期待が持てたこともポイントでした。

薬歴が変わり、対人業務が変わり、店舗経営が変わり始めた。電子薬歴を超えた価値を実感

あれほど悩まされた薬歴の負担から完全に解放。一人10分が、わずか2〜3分に

あれだけ悩まされてきた薬歴に関する負のスパイラルが、Musubi の導入をきっかけに一気に解消しました。薬歴の記載完了率は基本的に毎日100%。以前のような薬歴のための残業もなくなっています。

Musubiで服薬指導の準備をし、指導中の画面タップで薬歴が下書きされて、投薬後にそのままチェック・加筆して完了する。このフローが出来上がったことで、これまで10分以上かかっていた薬歴記載時間が、今では平均2〜3分ほどになっているんです。格段にはやいし、しっかりと書き切れている。数字が示す以上に、いい流れになってきたなという実感があります。

Musubiの健康アドバイスで生まれる、思いもよらない深い患者理解

もう一つ、これは想定以上の効果だったのですが、服薬指導の最後に提示されるMusubiの健康アドバイスのおかげで、患者さんとの会話に“もう一言”が生まれるようになっています。例えば、検査値に影響する副作用についてのアドバイスをお見せした患者さんから、「なるほど、こんな副作用があるんだね」「どうすれば気づけるの?」と、指導の終盤にもかかわらず新たなコミュニケーションが生まれたり。あるいは、お通じのお薬に関するアドバイスをお見せしたところ、それまで「きちんと飲んでます」と仰っていた患者さんが、「実は、朝にまとめて飲んでいて……」と、服薬コンプライアンスの実情をより深く把握できたこともありました。これまでも十分に確認していたつもりでしたが、今までの会話で得られていた情報だけでは十分とは言えなかったんだなと身をもって実感しています。もちろん、そうして得られた情報が薬歴にきちんと反映されていくわけですから、薬歴の内容の充実度も上がっていると言えるでしょう。

スタッフ同士のコミュニケーションが盛んに

残業やお昼休みの薬歴作成がなくなったのは、管理薬剤師として本当に嬉しい変化です。さらに嬉しいことに、薬剤師同士が自発的にディスカッションする様子が、日常的に見られるようになりました。テーマは薬学的な話から、「患者さんの電話フォローをどのように実践していくべきか」といった業務フローの話までさまざま。これもまた、黙々と薬歴に向かう時間がなくなり、業務に余裕が生まれたからこその変化だと感じています。

Musubi独自の研修プログラムで、つまづきなしのシステム移行が実現

以前利用していたシステムはキーボードのタイピング操作が前提で、得意でない方にはどうしても使いづらいものになっていました。画面タッチを基本としたMusubiの操作にはみんなスッと慣れていったようで、予想以上に抵抗なく使っているなと感じます。

導入時の研修プログラムも丁寧に設計されていますね。一気に詰め込むのではなく、週単位で細かいセッションに参加し、薬剤師同士が実務のなかで教えあい確認しあって慣れていくスタイル。始める前は「ちょっと時間をかけすぎかな?」「ちゃっちゃと始めちゃったほうがいいのでは」と思う部分もあったのですが、実際にやってみると思っていた以上に楽しくて。細かく区切ってやることで、こちらとしても具体的な質問や「こういう使い方をしたらいいのでは?」といったアイデアも出てきますし、担当の方と双方向にやりとりさせていただけるのがよかったと思います。

Web会議システムを使ったフルリモートでの研修も、体感として、横について教えていただくのと全く遜色ない印象です。初めての体験ではありましたが、画面共有もできますし、対面以上にスムーズな点も多かったように思います。

薬歴完了率や記載時間がデータで見える化、店舗の課題把握が圧倒的にラクに

今まで全く見えていなかった「誰が薬歴にどのくらい時間をかけているのか」「服薬指導にどう取り組んでいるか」といった業務状況の実際が、薬歴完了率や薬歴記載時間、健康アドバイスの活用率といったファクトデータとして見える化されるようになったことも、Musubiによる大きな変化の一つです。今までストップウォッチを片手に自分で計測していたデータ類が自動で集計されるようになり、私自身は課題の把握とその解決にじっくり時間を使えるようになりました。

薬剤師の業務状況が把握しきれていない状況では、アドバイスのしようがないんですよね。それが今ではSOAPそれぞれにどれほど時間がかかっているかまで見えるように。例えばSの時間が短かったら「もう少し聞き取りしたほうがいいね」ということになりますし、想定外に長くかかっているところがあれば、「こういうやり方をしてみたら?」とアドバイスもできます。

やっぱり現状がきちんと見えないと、良くなっていかないんですよね。改善点に気づくための数字がないと何もできません。まさに、患者さんの「検査値」と同じです。データを見て、一方的にそれを突きつけるのではなく、「どうすればもっと良くなりますかね?」と一緒に考え、取り組んでいくことが重要。私自身もそうしたスタンスでデータを扱い、現場の薬剤師一人ひとりに向き合うように心がけています。

考える余裕を生み出せたことが一番の価値。先服薬指導や服用期間中フォローなど、今後の業務改革につなげたい

「こうあるべき」「こうしたい」と思えど、日々の業務に追われて今まで全くできていなかったことが、Musubiの導入をきっかけに一気に前へと進んでいます。例えば、今まさに取り組んでいるのが先服薬指導へのシフトです。Musubiを使い始めたことで、具体的なアイデアを練ることができるようになり、実際に自分でテストすることができました。その結果がデータとして見える化されるので、適切に検証しながら最適なフローを組み立てていけます。

これから検証してみたいのは、先服薬指導に切り替えた際の、薬歴記入時間の変化。従来のフローだと調剤中は患者さんをお待たせすることになり、場合によっては10分〜15分お待たせしてしまいます。監査でプラス数分かかり、そこからようやく服薬指導。患者さんのご負担に配慮すると、どうしても2〜3分程度の時間しかとれません。この調剤中の待ち時間を、先服薬指導でゆっくりご相談いただける時間に変えることができたら、対人業務の質が向上して患者さんの状況・状態をより深く把握できるようになるんじゃないか。そしてその結果が、薬歴の充実度=記載時間の適切な増加という形で見えるようになるのでは、と考えているんです。こうした、より良い薬局づくりを建設的に考えるための時間的な余裕が生まれたことこそ、Musubi導入の一番の価値だと言えるかもしれませんね。

更新日:2020/8/12

そのほかの事例を読む

イベント・セミナー情報

お役立ち資料

Musubiのことがよくわかる資料