山口仁さん(山口薬品代表/以下、山口):
山口薬品は、地域に住むみなさまの健康に奉仕するため、薬を調剤しお渡しする「ラストアクセス」だけでなく、病院を受診する前に健康面で何かあった時に一番に頼ってもらえる「ファーストアクセス」の場所にもなりたいと思っています。身近な健康ステーションとして、ラストアクセスとファーストアクセス、その両面から地域の健康を支えていきたいですね。
特に力を入れているのが定期的に開催している「健康フェア」です。外部から講師をお招きしての認知症に関する講演や、血流測定や身体測定、検体測定(HbA1c、脂質等)など、健康に対する意識を高める活動をしています。繰り返し来てくださる方も多く、毎回にぎわっていますね。
また、服薬指導をよりじっくりと行うため、全てのカウンターにイスを設けています。座ってお話をすることで親近感を感じていただけますし、良い関係性を築くことにつながるのではと考えています。
山口さん:
Musubiをみて、「これまでの薬歴システムとは違い、患者さまのことを考えて作られているな」と感じました。薬剤師の薬歴業務の負担を軽くするだけでなく、服薬指導のときにタブレットPCをお見せしながら健康アドバイスができるなど、患者さまへ提供する価値を上げる機能があった。その思想に共感し、興味を持ちましたね。
また、Musubiを導入してタブレットPCを薬剤師が1人1台所有すれば、個人の学習(eラーニング等)や学会発表用の資料作り、薬物乱用防止教室のためのプレゼン作りなど、薬歴記入や服薬指導以外の仕事も捗るのではないかと思いました。業務効率化という面もありますが、薬局内にとどまらず視野を広げ、地域社会で活躍してほしいというスタッフへの想いもありました。将来的には、社内のミーティングや患者さまへの服薬指導をタブレットPCを使って遠隔で行なうなど、今後の業務の幅が広がりそうだとも思いましたね。
導入の際は、現場スタッフが目的などをしっかりと理解したうえで使えるかが重要だと思い、太田先生を中心に若手薬剤師から選定したメンバーでプロジェクトチームを組みました。現場スタッフから出てくる要望を吸い上げながら、新しいオペレーションへのシフトの進行役を担ってもらいたいと思ったんです。
太田貴之さん(薬剤師/以下、太田):
私はそのプロジェクトメンバーの一人です。Musubiを知ったとき、薬歴記入のスピードが圧倒的に早くなるなと思いました。私が担当している本町店は、季節によっては日に100人以上の患者さまを2人の薬剤師で対応するのですが、時間に追われて薬歴も溜まりがちでした。Musubiを導入すれば、薬歴記入を効率化でき、もっと患者さまに向き合う時間を作れると期待していました。
安齋凜子さん(薬剤師):
薬歴記入は格段に早くなりました。これまで1人分しか書けなかった時間で、3〜4人分は書けるようになったんです。端末が1人1台になったことも、効率化の面では大きかったですね。以前は3つの投薬台を5人の薬剤師で取り合うようにして使っていましたが、Musubiが導入されてからそれぞれが自分の端末でスムーズに投薬できるようになりました。
また、データがクラウド上に保存され、どの店舗からでも薬歴記入ができることも便利です。私の店舗では他店舗から応援に来てもらうことが多いのですが、応援に来てくれた薬剤師が、自店舗に戻ったあとでも自分の端末で薬歴を確認できるんです。戻ったその日のうちに薬歴が完成するため、後日の薬歴修正がなくなりました。
そして、服薬指導をしながら画面にタッチするだけで薬歴記入が進むのもいいですね。おかげで患者さまのお顔をしっかり見てコミュニケーションが取れるようになりました。表示される薬の情報もしっかりしているので、指導内容も以前より充実したように思います。
白幡卓也さん(薬剤師):
私も薬歴記入の時間が短縮できたと実感しています。Musubiによってできた「余裕」によって、以前はなかなか取り組めていなかった検査値についての説明をしたり、トレーシングレポートを作成したり、患者さまにより積極的に向き合えるようになりました。結果、喜びの声をいただくこともあり、やりがいも増しています。
患者さまとのコミュニケーションにも変化がありましたね。もともと、患者さまとのコミュニケーションには注力していて、症例や副作用についても積極的に質問していたのですが、「はい」「いいえ」で会話が終了してしまうことも多く、詳しい状況までわからないことがありました。それがMusubi導入後、タブレットPCに表示された図や絵を使って症状の説明ができるようになると、「そういえばこういうことがあってね」と、患者さま自ら状況を話してもらえるようになっています。おかげで話が弾み、より細かな健康アドバイスができるようになりました。タブレットPCに表示される説明やアドバイスが、目の前の薬剤師からのアドバイスに加えて有用な情報をもらえている安心感を、患者さまに与えているのではないかとも感じています。
太田さん:
確かに、患者さまとのコミュニケーションの取り方は変わりました。より、お一人ひとりに向き合える時間が増えたと感じています。
本来、薬剤師がやるべきなのは薬歴記入ではなく、患者さまに正しい情報をお伝えし、安心して笑顔で帰ってもらうこと。だからこそ、薬歴記入など他の作業が溜まることを恐れ、服薬指導の時間が短くなるのは本末転倒です。薬剤師にしかできないことに時間をかけられる仕組みを作ることが大事だと思います。
山口さん:
Musubiを導入したことで、スタッフ一人ひとりの仕事に対するモチベ―ジョンや責任感も高まってきたように思います。
薬剤師、管理栄養士、医療事務など、働くすべての人に、自分が山口薬局で働くことによって地域の健康に奉仕しているのだと誇りを感じ、「自分の仕事が好き」「薬局で働くのが楽しい」と思ってもらいたいですね。そのために、地域の人たちのとの接点づくりを続けていきたいですし、新しい仕組みを取り入れ業務効率化を図ることによって、全てのスタッフが本当にやるべき仕事に集中できる環境づくりをしていきたいと思っています。
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