Musubi導入事例

在宅×Musubiで、薬剤師“だからこそ”できる仕事を

つなぐ薬局 取締役CEO兼CSO/薬剤師 山内伴紀さん
2016年6月に千葉県柏市にて創業し、Musubiをリリース当初より活用されているつなぐ薬局。薬剤師の真価が発揮される本質的な業務に集中したいとの思いから在宅医療に特化した薬局の設立を決めたという、取締役CEO兼CSO/薬剤師の山内伴紀さん。なぜMusubiに共感し、またどのように現場で活用されているのか、お話を伺いました。

薬剤師のポテンシャルを活かす薬局を目指して在宅医療に特化

つなぐ薬局は千葉県柏市の2店舗と東京都足立区1店舗の計3店舗を運営しており、どちらも在宅医療に特化しています。24時間365日の対応を行っており、無菌調剤用のクリーンベンチも設置。一号店である柏店を2016年6月に友人と2人でオープンして、今年で創業5年目です。

以前は調剤薬局に勤めていたのですが、当時から強く感じていたのが、調剤薬局の一般的な業務では「薬剤師の能力を最大限に活かしきれない」という課題。薬剤師が身につけている薬学の知識やスキルには、医療により深く貢献しうるポテンシャルがあるにも関わらず、現場でそれを活用する機会が少なすぎるのです。そんな中で、薬剤師として専門性を発揮することのできるチャンスをより多く得られるだろうと感じたのが在宅医療。薬剤師の五感を研ぎ澄まして患者さまの生活に寄り添い、多職種連携によるケアにおいて、“薬の専門家”として大きく踏み込んでいくことができる。それはまさに臨床であり、地域を中心に活躍する薬剤師を“地域臨床薬剤師”と位置づけています。そういった業務に集中し、薬剤師のポテンシャルを活かしきれるような薬局づくりを目指しています。

 

既存の薬局像に捉われることなく、積極的にテクノロジーを活用

常日頃から感じていたのは、世の中がテクノロジーの力で急速によくなっていっているのに、薬局の中でそうしたものを見る機会があまりにも少ないことでした。テクノロジーによる業務効率化は、これからの薬局には不可欠です。しかし、業界の中で導入が進まない理由も理解していました。テクノロジーアレルギーのようなものが存在するのです。テクノロジーアレルギーが、この業界からますます技術革新を遠ざけていました。

つなぐ薬局で働くスタッフがテクノロジーアレルギーを起こさないためにも、特にこだわったのが薬局づくりです。結果、例えば入社当初はアナログ人間と自称していたスタッフも、今ではチャットやクラウドを当たり前のように使用するまでに変化しています。

テクノロジーというものは、実は気づかないうちに、我々の生活の中で当たり前に存在しているものです。それにも関わらず、何か新しいものだとして意識してしまうから、アレルギー反応が出てしまうのです。

例えば新しいものだと抵抗感を起こさない工夫として、老若男女を問わずあらゆる方に使われているチャットサービスの「LINE」と同じようなUI(ユーザーインターフェース)の医療用チャットサービスを見つけて導入しました。これならば、使い方の説明もほとんど必要なく“感覚的に使えてしまう”くらいでした。

つなぐ薬局で利用しているクラウドサービスは多くありますが、スタッフはその構造をあまり理解していないのではないでしょうか。それでも仕事は進んでいますし、導入していない薬局に比べると仕事効率がいいはずです。“感覚的に使える”状態が重要だと考えます。

シンプルで、薬剤師業務に伴走してくれるシステム

共通の知人がいたこともあり、カケハシ創業前の中尾さんと意見交換をしたことがありました。効率化できる業務は積極的にシステム化し、そのぶん薬剤師は自らの価値を発揮できる本質的な業務に集中する――。Musubiが目指すこの世界観が私自身の独立の想いと重なり、強く共感したのを覚えています。

実際にMusubiの仕様を見て、私が最も重要だと感じたのが、「無駄を廃した、操作や画面のシンプルさ」と「薬剤師の業務に沿った、スムーズな画面遷移」です。他の薬歴ツールをみると、多機能を謳ったものが多く、複雑になりがちです。実際に体験してみて、画面の遷移が業務のフローに沿っておらず、使っていて煩わしいと感じたものもありました。一方、Musubiはあくまでシンプル。かつ、業務の流れを邪魔しない設計になっていることで、現場の薬剤師が特に苦労することなくスムーズに使いこなすことができます。通常の服薬指導の流れに沿って、直感的なタッチ操作で画面が遷移し、そして指導終了時には薬歴のドラフトが仕上がっています

もう一つ重視していたのは、クラウド型であること。在宅業務がメインとなる以上、私を含め薬剤師は薬局の外にいることがほとんど。端末を持ち出すことができ、薬局の外でデータの閲覧や薬歴の記載ができればと思っていました。Musubiはネット回線がつながればどこでも患者さまの情報を確認し、薬歴の作成が可能。在宅業務でも大いに活用できるだろうと感じられたことが、導入の決め手になりました。

薬歴との連動で在宅報告書作成の負担軽減。薬歴の充実も

まず、薬歴や在宅報告書が自動でドラフトされるのが便利です。在宅業務は書類作成が多く事務作業の負担が大きいので、各書類をデジタルに作成できるようになったことで、かなりの業務効率化が図れたと思います。特に、在宅報告書の作成。薬歴を作成すると、連動して報告書が自動的に作成されるため、薬歴と報告書で二度手間だった負担が一気に軽減されました。

“感覚的に使える”システムなので、導入のハードルも低かったと感じています。ボタンの配置も画面遷移もシンプルで分かりやすいので、スタッフの理解もスムーズでしたね。

また、「薬歴や服薬指導の充実」という効果もありました。以前は薬歴入力の手間が大きく、患者さんが特にお変わりなければ「特に変化なし」と済ませてしまうこともあったのですが、Musubiを使うようになってからは、書く手間を感じないので、細かなところまで記録するようになりました。また、引継ぎの機能のおかげでプロブレムを共有したり、他の薬剤師が関わった際にはアドバイスが残っていることもあります(オーディット)。その他にも、Musubiが指導内容や生活習慣のアドバイス(健康アドバイス)を提案してくれるので、新しい気づきや患者さんとのコミュニケーションに役立つ機会が多くなりました

テクノロジー活用を、調剤薬局の“当たり前”に

今後、国民に期待される薬局になるためには、テクノロジーの活用は欠かせません。しかもそれは、費用を大きくかけることで解決する課題でもありません。世の中にあるものを選び・組み合わせる考えを持つことで、テクノロジーは企業規模に関係なく導入できます。私は、そういった考えや学びを一つのカテゴリーとして「Phamtech(ファムテック)」と呼んでいます。テクノロジーを上手に取り込むことで、小さな薬局でも輝けると考えています。

繰り返しになりますが、私たち薬剤師が本来のポテンシャルを発揮してより患者さまの健康に貢献できるようになっていくには、事務作業などの負担軽減とシステム化による業務効率化が不可欠。そういう意味では、Musubiは患者さまのためのサービスということもできると思います。患者さまと本気で向き合おうとする薬剤師の背中を支え、後押ししてくれるようなシステムとして、今後も進化を続けて欲しいですね。
更新日:2020/8/12

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