Musubi導入事例

薬歴残業がなくなり、有休取得率UP。生まれた“ゆとり”を患者さまへの価値提供へ

会喜地域薬局グループ 馬場祐樹さん、岡本直也さん
福島県会津若松市を中心に8店舗を展開する会喜地域薬局グループ。全店舗でMusubiを導入し、薬歴にかかる時間を大幅に短縮。接客にも変化が生まれているそうです。詳しいお話を、会喜地域薬局グループ取締役の馬場祐樹さん、グループリーダーの岡本直也さんに伺いました。

けやき薬局

  • 所在地:福島県会津若松市
  • 主な診療科:眼科
  • 処方箋応需数:100枚〜/日

ひのき薬局

  • 所在地:福島県会津若松市
  • 主な診療科:内科・消化器科・小児科
  • 処方箋応需数:60〜70枚/日

高齢化の進む地域に寄り添い、「親切で温かいサービス」を

馬場祐樹さん(取締役/以下、馬場):
会喜地域薬局グループは1996年に福島県会津若松市にひのき薬局を開業し、現在は会津若松市に6店舗、いわき市に2店舗の合計8店舗展開しています。登山が好きな社長のこだわりから「けやき薬局」「ひのき薬局」「くすのき薬局」など全部の薬局名の最後に「き」がつくのが目印です。

取締役 けやき薬局 管理薬剤師 馬場祐樹さん

会喜地域グループとして特に大切にしているのが、病院と一緒に地域医療に取り組んでいくための関係づくりです。そして患者さまには、「親切で温かいサービス」を方針に、生活指導にもしっかりと踏み込んだコミュニケーションを心がけています。

患者さまは高齢の方がほとんど。会津をはじめこのエリアは特に高齢化が進んでおり、特に郡部では30%を超えて、今では住民の40%ほどが高齢者になっています。

岡本直也さん(グループリーダー/以下、岡本):
私が普段勤務しているひのき薬局も、高齢の患者さまが多いですね。昔からの方がとても多く、私の顔を見るなり「いつもの!」とお声がけくださる患者さまもいらっしゃいます(笑)。お薬のことは「すべて会喜で」と、処方箋なしでOTCをお求めにいらっしゃることもよくありますね。

グループリーダー ひのき薬局 管理薬剤師 岡本直也さん

「ラクかつ実用的、しかも生活指導にも踏み込める」コンセプトに共感

馬場:
Musubiの導入以前はキーボード入力と音声入力を併用する電子薬歴システムを利用していましたが、キーボードは打つ速さに個人差があるし、音声入力は患者さまの前ではやりづらい。ついつい後回しになっていました。結果的に、薬歴がたまりがちになることが課題でしたね。

岡本:
たしかに、薬歴の内容は薬剤師個人の能力や姿勢に依存するところが大きい。作業が追いつかないと、薬歴が定型文のコピーに近い状況になってしまうケースも散見されました。

馬場:
なにかいい解決策はないかと薬剤師仲間に相談していたところ、2017年の2月にカケハシさんを紹介してもらって。それが、Musubiとの出会いです。タブレットを見ながら服薬指導して、同時にタップで薬歴が書ける。さらに、ワンポイントの健康アドバイスが表示されるから、患者さまに一歩踏み込んだ生活指導もできる。まさに、当社が志向する「親切で温かいサービス」にマッチしそうだと直感しました。

岡本:
カケハシさんの掲げる「患者さまの医療体験をしなやかに」するというミッションに共感できたところもあります。当社としても以前から、ただ処方箋どおりに薬を渡すだけではいつか患者さまから必要とされなくなるだろうという危機感が強くありました。カケハシさんとは、同じ方向を向いてチャレンジしていけるなと思ったんです。

馬場:
薬の処方だけでない価値を感じてもらいたいというのは、各店舗リーダーに共通した考えで、全員がMusubiの導入に賛成。全店舗で一気に導入することにしました。過去に店舗単位で取り組んだ施策が頓挫したという経験もあり、やはり本気で薬局を変えるには、全社で一気に動くべきだと思っていたんです。

薬歴残業が減り、有給取得率が向上

馬場:
導入から1年くらいで、各店舗の薬剤師が薬歴のために残業することはなくなりましたね。以前は薬歴が後回しになりがちで、患者さまとのやり取りを思い出しながら書かねばならずどうしても時間がかかっていましたが、Musubiなら服薬指導しながらその場で薬歴が書ける。自ずと、次の患者さまの対応までに完了させようという意識が働くのが大きいですね。

岡本:
データがクラウド上に保管され、薬局の外から見ることができるようになったのも大きな変化。他店にヘルプに行った薬剤師が、自店舗に戻って薬歴を完了させるといったオペレーションが可能になりました。

馬場:
当社でも、他店舗へのヘルプは全社的に増えています。場所に縛られずに作業できるというMusubiの特徴は、昨今の働き方改革の風潮にもマッチしているなと感じますね。実際、当社では導入後に薬剤師の有給取得率が上がりました。これはMusubiがなかったら難しかったと思います。

岡本:
同感です。生活指導についても、口頭の説明に加えてタブレットの画面を見ていただくと、患者さまの記憶に残りやすいだろうと期待しています。お耳の不自由な患者さまにご説明する際にも画面があると便利です。

また、以前は服薬指導の裁量を各薬剤師に委ねていたのですが、その結果、指導内容の個人差が目立ってしまっていました。そのばらつきを抑えるという点でも、Musubiの効果を感じています。必要最低限の情報提供で終わっていた薬剤師が、Musubiの健康アドバイスを活用して患者さまに積極的にお話するようになったというケースも見られます。

薬局間で患者さまの情報を共有できる(※同一法人の薬局間で情報連携が可能)のも良いポイントです。患者さまの中には、会喜グループの複数の薬局をご利用されている方もいらっしゃいます。そうした方々に他店でのやり取りを踏まえた服薬指導ができるようになりました。

一人ひとりのスキルを底上げし、薬局全体の提供価値を高めていきたい

岡本:
Musubiの効果で業務にゆとりが生まれてきたぶん、今後は薬局の質の向上に時間を使っていきたいと考えています。具体的には、患者さまの薬局に対する心理的なハードルを下げることはできないか、と。ご自身やご家族の健康に関して少しでも気になることがあったら、本格的に病院で診てもらう前に、気軽にご相談いただけるような存在になりたいと考えています。

最近、高齢者医療の現場で使われる「フレイル」という概念に思うところがあり、高齢者が健康的な生活を続けていくためには、筋肉量や運動機能の低下に気をつけることに加えて人と人とのつながりが大切だと考えるようになりました。そういう意味でも、薬局がコミュニケーションの場として機能することで、地域の方々を支えることができたらという思いは強くあります。

馬場:
まず私たちが、調剤業務にとどまることなく患者さまに必要な情報を届ける役割を担っていくべきでしょうね。そのためにも、患者さまは何を必要としているのか普段からグループ全体で話し合い、意識を統一することが重要。スーパー薬剤師が一人いたとしても、患者さまに提供できる価値は限られています。スタッフ全員の力を底上げし、薬局全体としての価値レベルを高めていきたいですね。

更新日:2020/5/26

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