株式会社カケハシ(本社:東京都港区、代表取締役社長:中尾 豊、代表取締役CEO: 中川 貴史、以下、当社)は、薬局・薬剤師の対物業務を効率化し、対人業務のさらなる充実を支援すべく、クラウド型電子薬歴・服薬指導システム「Musubi」(以下、Musubi)において、生成AIを活用した薬歴作成機能の開発に着手しました。
●生成AI活用の概要
このたび、生成AIを活用した薬歴作成のプロトタイプ開発をスタートしました。患者さんに対して行われた服薬指導の内容を、生成AIによって自動的にSOAP形式へと整理し、継続的な薬学管理に欠かせない要点を押さえた薬歴が効率的に作成できる機能を想定しています。
機能リリースについては、薬局現場の実運用における安全性ならびに利便性の向上を検証するプロトタイプを2024年秋頃、Musubiへの正式な機能実装を2025年春頃に予定しています。また本開発を皮切りに、当社のその他のサービスに対しても、AIを活用した機能開発を順次検討いたします。
●AI活用に関する当社の取組み
当社は創業当初より「テクノロジー活用」をテーマとしたプロダクト開発に取り組んでいます。とりわけAI領域においては、機械学習エンジニアやデータサイエンティスト等のAI人材が10人以上在籍し、医療におけるAI活用推進に向け体制を整備しました。
2021年には、AIによる高精度の来局予測から半自動発注を実現する薬局向けシステム「Musubi AI在庫管理」の提供を開始。在庫金額を20〜30%圧縮すると同時に、欠品については20%程度の削減を実現するといった定量成果を創出しています。
これまで在庫管理の領域を中心に取り組んできたAI活用を、当社は薬局調剤領域にも拡大してまいります。その第1弾が、生成AIを活用した薬歴作成機能の開発着手です。Musubiで注力してきた「薬歴作成」の効率化に関するシステム運用の知見と、AI技術の活用に関する豊富な知見とを組み合わせることで、安全性と利便性が両立したサービス提供を目指します。AI活用のさらなる強化によって対人業務の充実を阻む「非効率」をなくし、「日本の医療体験を、しなやかに。」というミッションを果たしてまいります。
●調剤領域におけるAI活用の展望
Musubiにおけるプロトタイプ開発を皮切りに、当社のその他のサービスに対しても、AIを活用した機能開発を順次検討します。加えて、将来的に当社は以下の2点を重視しながらAIによる薬局業務のトータルサポートを実施し、薬剤師の専門性をさらに発揮できる環境の整備や、患者本位の医療の実現を目指します。
(1)薬局業務のフローに即した、流れのあるAIサポート
その日に来局した患者さんの薬歴作成を効率化するだけでなく、患者さんが前回来局時や服薬期間中にどのようなことを訴え、薬剤師はどのような指導やフォローを行ったかなど、患者さん一人ひとりの履歴や経緯まで考慮した業務サポートを実現していきます。その上で、処方受付から調剤設計・処方監査・服薬指導・服薬期間中フォローという薬局の業務プロセスに沿った「流れのあるAIサポート」を実現し、“現場で使えるシステム”として提供します。
(2) 患者さんにとって安心・安全な生成AI活用
生成AIは高い利便性をもたらす反面、安全性や倫理面、個人情報保護といった観点で、いまだ不確実な要素をはらんでいます。当社はテックカンパニーである以前に医療の一端を担う者として、高い安全性・信頼性を担保する社会的責任を自覚し、国が示すAI事業者ガイドライン¹に準拠することはもちろん、ユーザー企業ごとに異なるAIガバナンスや、AI活用に対する患者さん個々人の意向にも配慮した開発を徹底し、医療における安心・安全な生成AI活用に取り組みます。
¹総務省、経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.0版) 」https://www.meti.go.jp/press/2024/04/20240419004/20240419004-1.pdf
Copyright © 2024 KAKEHASHI Inc. All Rights Reserved.