Musubi導入事例

高まる業務効率と深まる多職種連携 ~ Musubiユーザーの在宅訪問に1日密着 ~

ワイズ株式会社 つなぐ薬局 柏店 鈴木邦彦さん
在宅医療において、薬剤師はいかに質の高い薬学的管理・指導で貢献できるか。その視点に立ち、日々研鑽を積んでいるのが、つなぐ薬局 柏(ワイズ株式会社)の鈴木邦彦さんです。Musubiを在宅訪問の現場に持ち運んでいる鈴木さんは、各種機能をどのように活用しているのでしょうか。施設や個人宅を訪問する鈴木さんのある1日に密着しました。

開局年:2016年
最寄りの医療機関 および 診療科目:総合診療科
取扱薬品数:2,000種類
月間の処方箋応需枚数:約1,400枚
月間の在宅訪問件数:約1,400件

ワイズ株式会社は2016年設立。設立当初から在宅医療に注力した店舗展開を行い、現在は東京都と千葉県で6店舗を経営する。「つなぐ薬局 柏」は2017年11月に開設。鈴木さんは、​地域薬学ケア専門薬剤師や心不全療養指導士などさまざまな認定資格を取得しているほか、教育・研究活動にも力を入れている。

鈴木さん:
「つなぐ薬局 柏」は、サービス付き高齢者向け住宅やホスピス、個人宅など、さまざまな場所で暮らしながら在宅医療を必要としている患者さんのもとに訪問しています。患者さんは子どもから高齢者までと年代も症例も幅広く、スタッフ全員で「患者さんにいかに寄り添えるか」を常に考えています。
Musubiはクラウド型で、ネットにつながる環境があればどこでも記録を取ったり参照したりできます。長年、在宅業務の時にMusubiを持参してきましたが、新たに在宅訪問で使いやすい機能が増えたことにより、複数の患者情報へスムーズにアクセスでき、記録にかかる時間が大幅に短縮しました。それによって、現場では患者さんや医師、ケアマネジャーといった「人」とのコミュニケーションに時間を充てられるようになっています。

9:00 訪問前の準備と情報共有

朝、鈴木さんが出勤すると、真っ先に取り掛かるのは施設から薬局に届いている情報の確認です。訪問先でも薬局でもFAXやメールなどあらゆる方法で常に情報のアップデートが発生します。そのため、薬局スタッフ同士でリアルタイムで確認・追記できるよう、チャットツールやクラウド(オンラインで資料等を参照できる機能)で共有する体制を取っています。

Musubiがインストールされた端末を開いた鈴木さんは、チャットツールで夜間対応の有無などを確認。さらに申し送りの内容も併せてチェックしていきます。薬のことに限らず、日常生活に関する情報、調剤報酬に関することなど、施設や患者さんによってさまざまです。この日もチャットツールの確認中に「鈴木さん、鈴木さん」と、以前の訪問に関連して、事務スタッフから声がかかりました。

夜間対応の確認に続いて、患者さんの情報を一覧化できるMusubiの「在宅リスト」を開きます。「曜日」と「施設名」で検索ができるように登録を済ませており、鈴木さんは約20人の患者さんを一気に一覧化。必要に応じて申し送りの内容をMusubiにも記録していきます。

鈴木さん:
申し送りの内容でSOAPのSなどに記載が必要になる場合、この時点で下書きを済ませていますね。複数の患者情報を簡単に切り替えられる機能が追加されたことで、以前は1時間かかっていた記載時間が20分程度、3分の1ほどに短縮されました。

10:00 施設着、往診同行:チームを支える専門性

薬剤やMusubiがインストールされた端末などを車に積んだ鈴木さんがこの日まず向かった先は、サービス付き高齢者向け住宅でした。到着するとすぐに、介護士から患者さんの気になる状況について共有を受けます。「便に血が混ざっているのかどうか、それが薬剤によるものか」、という質問です。気になる処方薬があると確認した鈴木さんは、処方医に即座に報告していました。

この日の午前中は往診同行がメインです。2人の医師が立て続けに来所。そのラウンドに同行し、患者さんの状況を医師や看護師などと共に確認していきます。往診同行の際、Musubiはオンラインでアクセスできる状態で携えている鈴木さん。左手で端末を開いた状態で持ち、右手でキーボード入力をしていきます。画面は「在宅リスト」を表示している時間が大半でした。

心不全に次いで脳梗塞を経験した患者さんには、医師が問診で近況や余暇の過ごし方を尋ねていきます。その傍らで鈴木さんは「在宅リスト」のメモ欄に、聞き取った患者さんの様子を記録していきます。「今後、利尿剤の処方をどうするか」という議論においても、即座に過去の薬歴を参考に処方の検討に活かしていました。

気になる体調不良を抱えていた患者さんには、眠気を感じていたという症状と服薬状況を聞き取り、医師に処方提案。さらに眼軟膏について、薬剤保管の状況など細かな状況を関係者で共有し合い、自己管理ではなく施設側の管理が望ましいとの判断に至っていました。

ラウンドの合間の時間には、鈴木さんは急配について薬局の内勤担当者に連絡をしたり、処方変更を反映するためのFAXを送付したりしていきます。これらの結果も含め、できるだけリアルタイムでMusubiに記録していくのが鈴木さんのスタイルです。

鈴木さん:
「在宅リスト機能」を使うとMusubiの一画面で、患者さんの直近の処方も、訪問前に準備したメモも確認できます。さらに患者さんの切り替えも簡単で、往診同行ではMusubiを開きっぱなし、基本はMusubiに次々と記録を取るスタイルです。具体的には、患者さんを診ている時は、メモのOPを記載していきます。ボタンを押せばSOAPの項目に分けて薬歴に転記できるので、この時点でほとんど薬歴の下書きを書き上げている状態です。

ラウンドが終わると、医師、看護師、施設長、鈴木さんでカンファレンスの時間を設けていました。鈴木さんは往診日以外の週に患者さんの部屋を回ってモニタリングを行い、それらの結果もMusubiに蓄積しています。

医師:
「病院から退院して戻ってきたら薬が変わっている。他の病院を受診して、急に新しい薬が処方されている。そういう状況を薬局薬剤師が自ら情報収集し、それを踏まえて考えて提案してくれる。これは本当にありがたいです」

施設長:
「医師や薬局薬剤師とリアルタイムで話をできることに意義を感じているので、一緒に各部屋を回っていくようにしています。患者さんの普段の状況やいろんな状況を踏まえて、薬の専門家として医師にわかりやすく伝えていただいています。薬をなるべく減らしていきたいという考えや、飲み合わせについても、提案をしていただけているのがとても助かっています。」

お二人は、薬局薬剤師の存在を「参謀であり相棒」(医師)、「チームの一員同士で助け合う存在」(施設長)と表現していました。

薬局に戻って昼食をとった鈴木さんは、午前に訪問した施設へ急配に行く準備を進めていきます。入所したばかりで残薬が多かった患者さんには、午前中に医師や家族と共に決めた服薬カレンダーを準備していました。

14:30 個人宅:効率的な準備でコミュニケーションが充実

鈴木さんは個人宅にも、Musubiを持っていきます。
「こんにちは、薬局です」
生活状況の聞き取りをしながら、患者さんの調子を評価していきます。すると複数の病院で処方薬が出ていたため、Musubiに記録を残していきます。また、この日はちょうど新しい薬に切り替わるタイミングでした。「今日の寝る前から入れておきますね」と服薬カレンダーにセットしていきます。ひと段落すると、確認が必要な書類についても尋ねていました。

患者さん:
「正直、薬は嫌いなのです。一緒に渡される紙にいろいろ書いていて気になってしまって...そういう時も鈴木さんは丁寧に答えていただけるし、これまで話したことも、飲んでいた薬もちゃんと覚えていてくださる。薬に対する考え方が変わってきました」

鈴木さん:
重要なのは準備です。訪問前の段階で、過去の薬歴や申し送りを踏まえ、しっかりと連続性のあるプロブレムを立てられているかどうか。どれだけ経験を重ねてきた薬剤師であっても、現場で小さな変化に対するアンテナが反応するかどうかは、訪問前の薬学的な考察と治療計画にかかっています。Musubiの機能で時間短縮ができるようになり、大切な事前準備の負担感が減りました。

夕方 薬局へ戻る:目指すのは時短だけではなく「属人的な仕組みからの解放」

薬局に戻ると、必要な申し送りをしていきます。薬歴は訪問先でほとんど下書きができているので、薬歴の仕上げや報告書作成などの時間は大幅に圧縮できます。

鈴木さん:
Musubiはアプリ版とブラウザ版(Google ChromeやMicrosoft Edge)での操作が可能です。在宅現場はもちろん、薬局に戻ってきてからも、ブラウザ版を使っています。ブラウザ版であれば、Musubiの画面を複数開いておけるので、「施設Aの在宅リストと施設Bの在宅リストを、同時に開きやすい状態で準備しておく」、といった使い方もできます。
在宅医療は「属人的な状態にしない」仕組みが大切です。緊急対応の判断ができない状態で一番困るのは患者さん。そのためにも正確な情報を即座に残しておくことは必要不可欠です。

在宅医療の負担はシステムで圧縮し、挑戦と努力を続けたい

鈴木さん:
「ラウンドして処方提案」という状況だけでは、病院薬剤師と変わりないのではないかと思うかもしれません。しかし、在宅医療の現場には、患者さんの生活があり、何か困りごとがあり、それらあらゆることが薬物治療と密接にかかわっています。患者さんやその家族、多職種とのコミュニケーションによってそれらを把握し、分析・評価し、計画を立てていく。薬局薬剤師だからこそ考え、提案できる要素にあふれているのが在宅医療。だからこそ情報を記録し、活用することが非常に重要なのです。

例えば、心臓疾患を持つある患者さんがおられました。話を聴いてみると、足のむくみを非常に気にされていました。むくみは本人の苦痛だけではなく、靴下の選び方や車いすの移乗などに影響があって、介助者にとっても悩ましかったそうです。そこで新しい薬を提案したところ、足がすっきりとしてご本人はほっとし、介助者も負担が減ったと喜んでいました。しっかりと患者さんの状態に向き合い、医師と相談して処方変更し、患者さんとその周囲の方々の笑顔につながりました。在宅医療ではこのようなエピソードが驚くほど日常的に発生します。率直に、仕事を通じて「困っている人を助ける」に直結していると感じる日々です。

そんな在宅医療の業務に「どうしても向き合いきれない」という状況が起きているなら、それは記録の手間や時間の制約といった、在宅医療に付随する業務の負担があるからだと思います。Musubiをはじめとしたシステムをもっと活用することで、負担を減らせるかもしれません。

「薬局薬剤師の業務の根幹は、コミュニケーションにある」と考えています。Musubiはアップデートを重ねて、私の在宅現場での時間を、「書く・記録する」から「患者さんやその周囲の方々を診る」ためにシフトさせるツールです。

ビジネスの基本は「問題解決」であり、私たち薬剤師が見なければならないのは薬ではなく患者さん。患者さんがどんな困りごとを抱えているかというのは、コミュニケーションからしか明らかにならないのです。これからもMusubiを活用し、「在宅医療でこそ求められる薬局薬剤師の役割」を充実させるため、努力と新たな挑戦を続けていきます。


ここまでお読みいただきありがとうございました。
『Musubi』の機能やメリットについて、くわしく資料にまとめました。ぜひご覧くださいませ。
更新日:2026/3/9

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