電子薬歴トピックス 09 - Musubi導入事例

MR出身の二代目が挑む、“選んでもらえる”薬局づくり

  • Musubi編集部
  • 2019年9月24日

サービスリリース当初よりMusubiを活用されている、滋賀県彦根市のせり薬局。MRとして経験を積んだ後に家業に入った二代目の射手矢雄一さんが、患者さまに選ばれる薬局を目指して、理想の店舗づくりを進めています。その取り組みのなかで、Musubiがどのような役割を果たしているのか。お話を伺いました。

薬局の概要

患者の記憶に残る、“薬局らしくない薬局”

私の父が彦根に薬局を開業し、今年で30年。現在は市内に3店舗を運営しており、ここ「せり薬局」はそのメイン店舗として循環器クリニックの門前にオープンし、11年目になります。実はつい先日、令和元年を迎えたタイミングで店舗を全面的にリニューアルしました。例えば、薬局のソファって明るい色味のものが多いかと思うのですが、あえて落ち着いたブラウンに。内壁も全面的に白くして、あれこれポスターやチラシを貼らず清潔感を意識。あえて従来の薬局のイメージに寄せないことで、少しでも「ほかの薬局とはちょっと違うな」という印象を持っていただけたらと考えています。

というのも、ご存知の通り、調剤薬局は転換期の最中にあります。従来型の経営を続けているだけでは難しい時代になっている。このままではまずいという危機感がどんどん強くなっているんです。一度いらした患者さまに、もう一回、足を運んでもらえる薬局になるためにはどうすればいいか。言わば、患者さまに“選ばれる”薬局を目指して、試行錯誤しているところです。

射手矢雄一さん射手矢雄一さん

導入の目的

理想の薬剤師像と現実とのギャップを埋める、“人に寄り添う薬歴”を求めて

私はもともと製薬会社でMRを経験して家業に入った、いわゆる二代目。幼い頃から薬剤師という仕事が身近だったこともあり、自分のなかに「薬剤師はこうあるべし」という理想像がありました。

ところが、いざ薬局の仕事を始めると、思い描いていた姿とは全く違うのです。「患者さまのために」という思いとは裏腹に、実際はさまざまな作業に追われる毎日。患者さまには病気の話や現在の状態、今後の治療のことまでいろいろとお伝えしたい気持ちはあれど、「ミスのない投薬」を徹底するために意識のほとんどを費やさなくてはならない現実。そして、圧倒的に非効率な薬歴業務。薬歴として文字に残さなくてはいけないがために、肝心の患者さまとのコミュニケーションが疎かになってしまう。あるいは、さまざまなお話をした結果、そのすべてを薬歴に残すことが労力的に難しくなってしまう。薬剤師として、自分の力を患者さまのために活かしたいというそもそもの思いからどんどん遠ざかってしまって、「自分は一体、何のために働いているんだろう……」と、こうした悩みを抱えている方も自分だけではないと思います。

このもやもやした状況を打開してくれる可能性を感じたのが、Musubiでした。初めて見せてもらったときに思ったのが、Musubiは“患者さま”と“薬剤師”という「人」に寄り添う薬歴だということ。タイピング速度など“機械の使い方”の優劣が仕事の精度に比例するシステムではなく、服薬指導という人と人の間にあるコミュニケーションそのものを支えてくれるシステムだと感じました。

導入後の効果

Musubiは、薬剤師本来の役割を果たすための“余裕”を生み出してくれる

余裕ができましたね、明らかに。患者さまとはお薬以外のお話をすることが多いんです。初診や2〜3回目の方は特に。初めから深いコミュニケーションなんて取れるはずがないんですよ。例えば趣味の話だったり、世間話だったり、まずは人として信頼していただくところから始めて、少しずつお薬や病気の深い内容に入っていく。これが患者さまとの自然な関係づくりだと思うのですが、実際に実践できるようになったのは、Musubiの活用で余裕が生まれたからこそだと思います。

以前は別の薬歴ツールを使っていましたが、すべて手入力。しかしMusubiであれば、ハイリスク加算の文言や、低血糖や脱水といった注意の必要な指導内容など、画面タップですぐに記載できます。患者さまごとにお伝えすべきポイントがきちんと押さえられているので、服薬指導も薬歴も、単調な内容になることもありません。そういう意味では、薬歴ツールというよりむしろ「服薬指導のパートナー」としての有用性を強く感じています。ただ文章として記録に残すだけでなく、患者さまと薬剤師との間をつないでくれる存在、そんなイメージです。

Musubi

患者さまと近い距離でお話を続けていると、「この薬を飲まなあかん理由が初めてわかった」と仰る方も、結構な割合でいらっしゃいます。「別のところでは何も言われんかったから」と。処方箋にないお薬のお話をしたり、気になっている症状のお話をしたり、そうするうちに「ちょっと今度は主人も連れてくるわ」と、ご家族一緒にこちらにいらっしゃるようになった方もいらっしゃいますね。

でも、これって決して特別なことではないと思うんです。そもそも、これが私たち薬剤師の当たり前の仕事。Musubiはあくまで、本来の役割を果たすために必要な余白を生み出してくれるものなんです。われわれ薬剤師に問われているのは、その余白をもって、さらなる価値を生み出していけるかどうかだと思います。現状の服薬指導に満足することなく、危機感をもって価値創出に取り組む。そして、ワンランク上のかかりつけ薬剤師を志し、次の世代につながる新たな薬剤師像をつくっていく。この大きなテーマに本気で挑んでいかねばらなないと、私自身も思いを強くしています。

  • Musubi編集部
  • 2019年9月24日

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