電子薬歴トピックス 06 - Musubi導入事例

薬剤師の“二極化”を見据えて
大規模薬局の薬歴負債に挑む、薬局長の覚悟

  • Musubi編集部
  • 2019年4月3日

福岡市内にて複数店舗を展開する株式会社福岡保険企画では、6店舗にてMusubiを導入・活用されています。総合病院の門前にて営業する旗艦店舗「ちどり薬局」での活用状況について、代表の坂口裕子さんに伺いました。

薬局の概要

薬剤師20名超の大規模薬局。健康サポート活動にも意欲的

ちどり薬局 外観

ちどり薬局は福岡保険企画の旗艦店舗として、福岡・千鳥橋病院の門前にて営業しております。一日の処方箋数は約300枚程度、繁忙期では400枚超になることも。ご利用者の多くが規模の大きな総合病院の患者さまということで、カウンターは10台、薬剤師22名体制で運営している状況です。

一方、健康サポート薬局の認定も早期に取得しており、また千鳥橋病院が日本で初めてHPH(Health Promoting Hospital/地域住民の健康水準向上に取り組む健康増進活動拠点病院)の認定を受けた病院だということもあって、その活動の一端を担う形で病院での健康講座を定期開催するなど、調剤以外の場面での活動にも積極的にチャレンジしてきました。

最近では「待合室活動」と題し、処方待ちの患者さまに向けた健康講座やイベントなどを、スタッフ持ち回りで毎日実施する取り組みもスタートしました。おかげさまで患者さまにも好評で、最初は不安げだったスタッフたちもそれぞれに手応えを感じているようです。

ちどり薬局 待合室活動

導入の目的

服薬指導に注力するほど増える薬歴の負担。薬剤師の働き方をあるべき姿に

株式会社福岡保健企画 代表取締役社長 坂口裕子 さん株式会社福岡保健企画 代表取締役社長 坂口裕子 さん

服薬指導に関しては、以前より意識的に行ってきました。私自身、スタッフには「これから薬剤師が二極化する時代がくる」と厳しく伝えています。「稼げる薬剤師か、調剤助手的な薬剤師か」「あくまでも前者の薬剤師であり続けよう」というのが私たちのスタンスです。しかしながら、いや、だからこそと言ったほうがいいのかもしれませんが、薬歴作成にかかる現場の負担はとてつもなく重いものでした。窓口で患者さまにお話することは何ら苦痛ではありません。そこで話したことを、すべて薬歴に残さなくてはならないことが現実的に厳しいのです。

ちどり薬局では複数の診療科を受診される患者さまが多く、現場は常にギリギリの状態。午前中はすべてのカウンターが常に患者さまでいっぱいです。必然、患者さまの待ち時間も長くなり、できる限りその短縮に努めようとするほど、なおさら薬歴作成が負担になります。以前はレセコン一体型の電子薬歴を使っていたのですが、結果的に薬歴残業が常態化してしまっていました。

初めてMusubiのデモをみて感じたのは、「これはまず、薬剤師の負担軽減になるな」と。書く時間が減ってその分を指導に回せるのと、加えてもう一つ、文章作成の得意不得意で薬歴の仕上がりにどうしても差ができてしまっている部分もあり、その解消にもつながるだろうと。ぜひ使いたいということで、私から社内に強く推し、導入を進めました。

導入後の効果

外来業務の薬歴残業がゼロに。患者満足度への好影響も

薬歴にかかる時間は、圧倒的に短くなりましたね。外来業務での残業申請は、今やゼロになっています。出来上がる薬歴のレベルも変わりました。年を追うごとに薬歴の算定要件は厳しくなっており、その基準を手書きで満たせる薬局は現実的にほぼ存在しないと思います。今後はもう、Musubiのようなシステムを使うことは薬局経営の前提条件になっていくでしょう。

もちろん、それも“使いこなしてこそ”の話ではあります。私たちの場合も、導入が繁忙期と重なったこともあって、当初はそれなりの戸惑いがありました。特に、Musubiの特徴でもある、患者さまの初回アンケート入力は大きなハードルでもありました。継続的にお越しになっている患者さまの分を終えるのに、約半年ほど。その間は入力に時間を要する分、患者さまの待ち時間がどうしても増えてしまいました。私としては「これはあくまで導入時の一時的なストレスだ」と理解してはいたものの、現場からは導入を疑問視する声があがったこともありました。

とはいえ、2〜3ヶ月ほどたって、患者さまがだいたい一巡したあたりからでしょうか。アンケートの負担が減り、データがたまって前回処方との比較ができるようになって、「あ、これは入れてよかったな」と。

ちどり薬局

私はもう、Musubiなしには戻れないと思っているんです。臨時薬はいくつも出ているのに、「アスベリンは咳止めです」といった薬歴を毎回残さなければいけない。当然、患者さまには口頭でお伝えするとして、それを文字に残すとき、Musubiの画面をタッチするだけで終わるのと、タイピングしなくてはならないのとでは、どう考えても業務量が違います。つまりMusubiを使うことで、薬剤師に“時間”が生まれるんです。

その時間を、待合室活動の企画に使ったり、患者さまへの指導に使ったり……。実際に指導の形も変わってきていますよ。まずMusubiの健康アドバイスをお見せしたときの、患者さまの反応が違いますね。「今はこんなのがあるの?」「薬局もこんなふうになったんだ」といった声をいただくこともありました。

生活指導に関しても、これまでも指導箋を揃えるなど意識的に取り組んできましたが、十分な手応えはありませんでした。患者さまとしてはドクターからさんざん指導された後での薬局ですから、薬剤師の指導に拒否感を示される方も少なくありません。そういう方には、Musubiの画面をパッとお見せして、イラストと文字でお伝えする。スピード感が違いますし、コンパクトですよね。この地道な継続が、アドヒアランスの向上につながっていくのでしょう。

現在、系列の薬局6店舗にはすでにMusubiを導入しており、その他の店舗への導入も準備しています。未導入店舗のスタッフからは、いつMusubiを入れるのかと声があがっている状況です。「現状の薬歴では、おそらく一定レベルに達していないと思う」「でも、業務ボリューム的にこれ以上の充実度を求められるのは厳しい」と。

Musubiを導入しても、いきなりラクになるわけではありません。とはいえ、いつか通らなくてはならない道です。将来のために今この瞬間に負荷をかけるか、このままずっとしんどいままか。現場のスタッフをアシストするためにも、意志をもって決断し、やりきることが必要だと思います。

  • Musubi編集部
  • 2019年4月3日

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